鹿国大解雇事件はこのようにして起こった!

右端の欄は,学園側が仮処分裁判に提出した書面番号

1999年 7月
1999年 7月21日(水) 経済学部教授会 教員人事の公募決定 
(補充人事として「人事管理論および労使関係論」(職位,教授または助教授)を公募するこ とを決定)
乙2号証
1999年 7月31日(水) 公募書類の発送
(菱山泉学長,八尾信光学部長の名において人事の公募書類を全国に発送)
乙3号証

1999年10月
1999年10月20日(水) 教員選考委員会設置
教員選考委員会の性格,委員の構成,選出の手続き
乙5号証

1999年11月
1999年11月02日(火)  第1回教員選考委員会
ここでは,教員選考委員会委員長の選出,主査と副査の互選,応募書類の検討と業績審査 を行う。(第1回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)
1999年11月26日(金)  第2回教員選考委員会
ここでは,応募者の業績審査を行い,対象者の絞り込みを行う。
(第2回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)

1999年12月
1999年12月17日(金) 第3回教員選考委員会
採用候補者を1人に決定。ただし、人事管理論については主査の疑問があるため、講義担 当の可否を面接で本人に確認することになった。担当不可であればこの人事は「否」である ことを全員で確認。この時点で教授採用が確定的となったため、1人の委員が経営学科選出 の教授と交替することに なった。この点,経営学科主任に申し出ることが提案され了承され る。
(第3回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)

2000年 1月
2000年 1月08日(土)  第4回教員選考委員会
採用候補者に対して,面接を実施。面接後に委員会を再開し,規程により委員会内で可否 の投票を実施する。結果は,可4,否1となる。「否」を出したのが主査であったため,議論の 続行を余儀なくされる。審議の結果,採用候補者の論文をさらに7本追加して読むことを決 定。主査と副査がその論文の選定にあたる。
(第4回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)
2000年 1月14日(金)   第5回教員選考委員会
前回の選考委員会で決定した採用候補者の7本の追加論文について,主査が委員会の了 解もなく独断で配布を差し止めた。その結果,実質的審議がなされなかった。最終的には,7 本の論文を含めてあらためて次回委員会で検討することを決定。
(第5回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)
2000年 1月31日(月) 第6回教員選考委員会
採用候補者の業績を検討。主査は採用候補者の科目適合性について,これまで「労使関係 論」は問題なしとしていた見解を翻し,「人事管理論」「労使関係論」の両科目とも科目適合 性がないとの業績評価を委員会に提出。主査の業績評価は、第3回委員会までの審議を無 視する内容であった。委員会は,主査に対して、委員会の審議や票決を踏まえた業績評価 書を作成できるのかと打診したが,主査は出来ないとの返答する。その結果,委員会は副 査が業績評価書を作成し,主査は補足意見を口頭で追加することを決定。
(第6回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)

2000年 2月
2000年 2月07日(月) 第7回教員選考委員会
教員選考委員会委員長の報告書,および業績報告書の原案を審議する。副査は,委員会 決定を前提に,採用候補者の業績評価報告書原案を作成し報告した。委員会は、第3回教 員選考委員会の議論を踏まえ,採用候補者は労使関係論の担当教授とし、人事管理論は 担当可として口頭で教授会に報告することを決定した。また,業績評価書の署名を主査・副 査の連名にすべき旨の議論がでたが,主査が拒否。最終的に次回の委員会までこの点を 主査が考えてくることになった。
(第7回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)
2000年 2月08日(火)   学園理事会「外部評価委員会」および「大学問題調査委員会」の設置決議
学園理事会において,学長より「外部評価委員会」および「大学問題調査委員会」の設置の 趣旨説明が行われ,併せて各委員は理事長に一任することが了承された。
乙17号証
2000年 2月17日(木) 第8回教員選考委員会
主査は副査の作成した業績評価報告書の連署および主査と副査の交替を拒否。委員長 は,委員会の多数意見である副査執筆の『研究業績評価』を教授会に報告することを提案 し,委員会は了承。なお、主査は委員会において少数意見であるため、その業績評価 は委 員会の意見とならないが,主査という立場を配慮して、教授会で質問があれば口頭で報告 することが了解された。
(第8回委員会の経過については,馬頭陳述書,田尻陳述書より)
2000年 2月22日(火) 第13回経済学部教授会(教員選考委員会報告)
教員選考委員会委員長より,8回にわたった同委員会の審議過程が説明されたのち,採用 候補者を「労使関係論」担当教授として推薦した。なお,人事管理論についても,担当可能 として口頭で報告される。教授会では長時間審議された結果,最終的に投票が行われ,投 票総数32   賛成(〇印)17、反対(×印)7、白票7、その他(無効)1 となり,教授会通則及び 教員選考規程に関する経済学部申し合わせ事項に基づき有効投票(24)の3 分の2以上 の賛成が得られて、委員会提案は承認された。
 なお,主査は,採決にあたり投票への参加を拒否して教授会をボイコットした。また,主査 に同調する他の教授会メンバー6人も同様に投票を拒否して教授会をボイコットした。
乙7-1号証
主査 業績評価書(人事管理論,労使関係論とも科目適合性がないとする業績評価 書)
乙12号証
副査 業績評価書(労使関係論の担当教授に適任であると明記された業績評価報 告書。これは教授会に提案された)
乙11号証
主査を含む7名の教員が教授会をボイコットした事実について教授会議事録に明記さ れる
乙13号証

2000年 3月
2000年 3月06日(月) 

主査が個人的に理事長,学長に上申書提出
(上申書の要旨は下記通り非難に満ちたもの)
教員選考委員会において,複数の委員の横暴がまかり通り, 公正な選考を妨げるという 重大な背信行為とでも言える行為があった。
●研究業績が科目と不適合であることが明らかな候補者を委員会の多数(4人)によって教授会に推薫することは,民主主義の形を借りた暴挙である。
●委員会は主要科目の「人事管理論」を軽視し, 「労使関係論」が担当できればよいと断した。これは,明らかに委員会の権限の逸脱行為であり,公募人事の公平性を欠く専断的な行為である。
●いったん投票結果が出たにもかかわらず,再び投票前の状態に戻って審査をしなおそうとした。明らかに教員選考規定に違反した。
●副査が教授会に提出した研究業績評価書には,候補者の研究業績評価の内にかかわって,事実を捏造した記述があり,ごまかしと欺瞞に満ちている。
●副査の研究業績評価書にみられる最大の問題点は,労使関係を意図的 に拡大解釈し, 個別企業レペルをこえる労資関係(全国レベル・産業レベルの労資関係)までも経営学の中の労使関係の対象としており,重大な誤りを犯している。日本の経営学会では,経営学(労 務管理論)の中の労使関係は,経営(企業)レべ ル・職場レベルの労使関係,つまり企業内 労使関係を意味することが通説となっている。
●今回のように 最も信頼性を要求されるべき教員選考委員会自体が犯した背信とも言える 悪業を許しては,大学の発展は到底期待できない。本件に対 する厳正な調査と処置をお 願い申し上げる。

上記の主張のうち,学園の解雇事由を構成した事実認定部分は,仮処分裁判の判決(鹿児島地裁平田裁判官)において,否定されている。


乙15号証
2000年 3月07日(火) 

教授会の採決をボイコットした教員6名が連名により上申書提出
(上申書の要旨は下記の通り)
●平成12年2月22日の教授会において、採用人事についての審議がなされたが、教員選考委員会の報告書及び委員長・副査の説明、また、それに対する主査の反論等によれば、今回の選考委員会には、その運営方法・審議過程・審議内容等について幾多の問題点のあることが判明した。にもかかわらず、八尾学部長は教授会議案に上程し、審議 し、投票による採決を強行した。これに対して、6名の教員は、教授会構成員と して、投票を拒否することを 宣言し、投票の前に会議室から退出した。
●そして,8点にわたる疑義を列挙(略)。

上記疑義8点のうち,学園の解雇事由を構成した事実認定部分は,仮処分裁判の判決(鹿児島地裁平田裁判官)において,3月6日付の主査「上申書」と同様に否定されている。(例えば。上記疑義Fの公募条件には「人事管理論および労使関係論」と記載されているにもかかわらず、後者の労使関係論のみに適合する業績があれば可とし、人事管理論については業績なしでもかまわない、としている。この決定は、公募に応じた者はもちろんのこと、両科目に適合しないことを理由に公募をあきらめた者に対しても、著しく公正を 欠き、対外的に無責任の謗りをまぬかれない,といった「上申書」の主張など)

 

乙16号証
2000年 3月13日(月) 学長 採用候補者に不採用通知を送付
菱山学長は,教授会を退席した主査および6人の上申書が提出されたわずか1週間後に, 当該人事案件を教員選考委員会や教授会に差し戻すことなく,教授会の決定を翻して採用 候補者に不採用通知を送った。
2000年 3月14日(火) 「経済学部採用人事に関する学長所見」の作成
採用人事に関する「学長所見」は,教員選考委員会委員の5人全員から事情を詳細に聞い た後に出されたのものではなく,主査等の教授会を退席した経済学部教員7名の意見・主張 だけを取り入れて出された。
(学長所見の要旨)
経済学部教授会の「人事管理論および労使関係論」に関する公募採用人事は、疑義がある という内容のもの。
●副査の評価をもって委員会の結論が示されており、主査の意見が捨象されている。
●委員長らが主査に辞任や副査の報告書ヘの連名を迫ったということである。
●学長への相談なしに「労使関係論」に絞った審査をしたのは不当である。
●投票前に委員会内の少数意見の開陳も認めたというが、主査・副査の意見が分かれてい るのに教授会での 投票にふみ切ったのは早計である。
乙34号証
2000年 3月16日(木) 八尾学部長が学長より,採用候補者に不採用通知を送った事実を知る。
2000年 3月17日(金) 第16回経済学部教授会
ここで,不採用通知を送った事実が教授会に初めて報告された。
2000年 3月24日(金)  第17回経済学部教授会
「経済学部採用人事に関する学長所見」が教授会において口頭で発表された。また,この件で,調査委員会を設け,関係者を調査する旨の学長の見解が報告された。
乙14号証

2000年 4月
2000年 4月05日(木) 第1回大学問題調査委員会
理事長,学長,大学事務局長,経済学部教員1名(オブザーバー)の他,外部評価委員2名 を加えて,第1回大学問題調査委員会が開催。
乙18-1号証

2000年 5月
2000年 5月27日(土) 第2回大学問題調査委員会
第2回大学問題調査委員会では,外部評価委員が採用予定候補者の業績と募集科目「人 事管理論」・「労使関係論」との適合性を報告した。結論的には,採用予定候補者は募集科 目に適合しないと評価し,馬頭副査の「業績評価報告書」は妥当ではないと断定した。
乙18-2号証

2000年 6月
2000年 6月23日(金) 大学問題調査委員会外部評価委員 S氏(関西大学教授) 業績評価書作成
乙19号証

2000年 7月
2000年 7月02日(日) 大学問題調査委員会外部評価委員 A氏(京都大学教授) 業績評価書作成
乙20号証
2000年 7月14日(金) 第3回大学問題調査委員会
教授会を退席した7名の教授に対して聴聞がなされた。
(以下の7名が同調査委員会に証言した)
1.外間 安益
2.渡瀬  迪
3.○○ ○○
4.○○ ○○
5.○○  ○
6.衣川  恵   衣川は,証言とともに「文書」も提出。
7.主査 ○○ ○○
乙18-3号証

2000年 8月
2000年 8月04日(金)  第4回大学問題調査委員会
以下の懲戒対象者5名に対して聴聞が行われた。
 八尾信光
乙18-4号証
 ○○○○
乙18-5号証
 ○○○○
乙18-6号証
 馬頭忠治
乙18-7号証
 田尻  利
乙18-8号証

2000年11月
2000年11月25日(土) 第5回大学問題調査委員会
以下の教員選考委員会委員長,主査,副査に対して聴聞が行われた。
 主査(○○○○) 
乙18-9号証
 馬頭忠治
乙18-10号証
 田尻 利
乙18-11号証

2001年 7月
2001年 7月23日(月) 大学問題調査委員会委員長報告書作成
菱山泉学長は,第1回〜第5回までの大学問題調査委員会を総括し,同委員会委員長とし て「経済学部『公募人事』(人事管理論および労使関係論)について」と題する報告書を作成 した。
乙21号証

2001年10月
2001年10月01日(月) 学園理事会 懲罰委員会の設置決議
懲罰委員会の構成は,津曲 貞春(理事長), 菱山  泉(学長), 伊東光晴(理事,京都 大学名誉教授), 永田 治雄(本部事務 局長), 野村 陸仁(大学事務局長) ,加えて, オブザーバーとして大学学長秘書室長,国際文化学部教授

第1回懲罰委員会
乙23号証
2001年10月19日(金) 学園理事会 八尾信光に懲戒理由書の送付
乙24-1号証
2001年10月25日(木) 八尾信光の第1回弁明聴聞

2001年11月
2001年11月05日(月) 学園理事会 懲戒理由書の送付
 田尻 利
乙24-2号証
 馬頭忠治
乙24-3号証
 ○○○○
乙24-4号証
2001年11月14日(水) 八尾信光 理事長に弁明書の提出
乙25-1号証
2001年11月22日(木) 懲罰委員会による弁明聴聞
 (以下,弁明聴聞対象者)
 ○○○○
乙25-2号証
 馬頭忠治
乙25-3号証
 田尻 利
乙25-4号証
2001年11月30日(金) 第8回懲罰委員会
(大学評議会のもとに「採用人事調査調査委員会」を置くことを合意)

2001年12月
2001年12月17日(月) 大学評議会 「採用人事調査委員会」の設置承認
乙26号証

2002年 2月
2002年02月27日(水) 「採用人事調査委員会」による「採用候補者の業績評価」報告書提出
乙27号証

2002年 3月
2002年03月12日(火)
第9回懲罰委員会
4名の懲戒対象者について,処分の程度・処分通告法・スケジュー ル等について審議。また,本件人事に関与した1教授の処分追加の必要性について協議した。
処分内容の原案を策定
2002年03月14日(木) 大学評議会 「採用人事調査委員会」の報告を確認
乙28号証
2002年03月25日(月) 主査 「釈明書」を理事長に提出
乙79号証
2002年03月29日(金) 学園理事会 懲戒対象者4名の処分を決定  (以下,処分の通知書)
乙29号証
 田尻 利教授に対する処分通知書
 馬頭忠治教授に対する処分通知書
 八尾信光教授に対する処分通知書 
 教職員全員に対する告知書の送付

2002年 4月
2002年04月17日(水) 大学評議会の開催
懲戒処分を実施した後,この大学評議会にて初めて懲戒処分決定が報告された。
乙40号証