6月14日 「鹿児島国際大学教職員の身分を守る会」総会と小堀弁護士による裁判の現況報告

2003/6/18 「鹿児島国際大学教職員組合ニュース」Vol.2-32より抜粋

6月14日(土)「守る会」第2回総会開かれる

 6月14日(土)14:00〜16:00、鹿児島国際大学教職員の身分を守る会の第2回総会が鹿児島大学教育学部103号教室で開催されました。あいにくの雨でしたが、約70名が参加しました。


 総会は、まず網屋善行代表があいさつをおこない、最近のニュースとして、問題の多い国立大学独立行政法人法案の国会審議が最終盤に来ていること、労働基準法改正案に「使用者は客観的・合理的な理由がなければ、労働者を解雇できない」という不当な解雇をとめることができる条文が入ったことなどを紹介しました。
 つぎに、平井事務局長が2000年の活動経過報告及び会計報告をおこないました。2002年6月4日に発足した「守る会」に対して、この1年間に232名の個人会員、26の団体会員が加入したこと、結成総会でアピールを採択したが、津曲学園理事会に受け取りを拒否されたこと、9月30日の三教授の解雇無効、地位保全の仮処分決定の直後の10月3日に開催した「仮処分全面勝利緊急集会」に150名の参加があったこと、本訴に入る中で、公正な裁判を求める署名を2002年11月に準備し、12月から取り組み、天文館での街頭署名やメーデー集会での署名などにより、目標を越える1万2468名の署名が集まり、2003年5月26日の第4回口頭弁論の後、網屋代表より鹿児島地裁事務局に手渡されたこと、メーデーに鹿児島で開かれた連合鹿児島と鹿児島県労連の二つの集会で三教授がアピールをおこなったことなどが報告されました。


 つづいて、弁護団の一人である小堀弁護士が裁判闘争の経過と課題について、報告しました。

 小堀弁護士は、まず裁判に多数の方が傍聴に来られていることに対して感謝を表明しました。傍聴者が多いと裁判官の態度も変わり、緊張した雰囲気の中で裁判が行われていると述べました。 小堀弁護士は、仮処分決定以降、現在闘われている三つの裁判について述べました。
 一つは、津曲学園が南日本新聞社と八尾教授を名誉毀損で訴えた損害賠償事件です。名誉毀損とは悪口などを言って他人をおとしめようとした場合に発生するものですが、八尾教授の南日本新聞社に対する投稿は地域通貨に関するもので、学園に対して名誉毀損に値するようなことはいっさい述べていません。また、9月30日に出された仮処分決定は権利確定型の仮処分で、暫定的ではあるが、解雇処分が下される前の状態に戻すことが認められたものであり、この決定を踏まえれば、むしろ教授と名乗らない方がおかしい、と説明しました。


 二つ目に、解雇無効、地位確認の本訴ですが、被告の学園側は、第1回に答弁書、第2回から第4回にかけて3回に分けて、しかも常に口頭弁論の直前に準備書面を提出してきました。被告の書面が本訴の開始以来、半年以上たってやっと揃い、ようやくこれから原告の三教授側が反論できることになり、証人尋問などもはじまります。なお、懲戒解雇が無効の場合に、三教授を普通解雇とする「予備的普通解雇」の通知が理事会によって出されていますが、勤務実績や研究・教育などにおける職務不適格などの理由は、すべて懲戒解雇処分以降のことに関わるもので、それ以前のことには言及できていない、と述べました。


 三つ目に、仮処分決定に対する理事会側の異議申し立て事件があります。現在、仮処分決定は執行力はあるが確定していません。原告、被告双方が7月18日までに書面を提出、本訴第5回口頭弁論と同じ8月11日(月)にこの決定が下されることになっています。現在、本訴の準備と合わせて、弁護団はこの書面作成に全力を投じていることが紹介されました。


 このあと、2003年度の活動方針と予算について、平井事務局長が報告し、次年度も現在の体制で、会員の拡大を呼びかけるとともに、今年度と同様、裁判傍聴の呼びかけやニュースの発行などの活動をおこなっていくことなどを説明しました。
 さらに、ともに「守る会」の団体会員である連合鹿児島と鹿児島県労連、それに九州私大教連などから、支援団体からの連帯のあいさつがありました。
最後に、田尻、八尾、馬頭の三氏が順に壇上に立ち、ユーモアなども交えて、この間の心境などについて、それぞれからあいさつがあり、閉会しました。