世紀ぶり 校門里帰り 旧守山女子高の前身 南井裁縫教室の生徒迎えた
 針塚前に設置 名古屋の骨董店から OGら買い取る

京都新聞(2006/04/04)

 守山市勝部三丁目の旧市立守山女子高(現立命館守山高)にこのほど、同女子高の前身南井裁縫教室の校門が約五十年ぶりに返ってきた。記念誌を作製していた移管メモリアル事業実行委のメンバーらが校門の存在を知り、女子高の同窓会が売却先の名古屋市内の骨董(こっとう)品店から買い戻し、「里帰り」が実現した。
 校門は高さ、幅とも約二・四メートルで、二本の石柱に鉄製の門扉が付いている。
 裁縫教室創始者の故南井竜太郎氏の家族らによると、校門は、南井氏が一九三一(昭和六)年に現在の同市守山一丁目に開いた南井裁縫教室(翌年湖南裁縫女学校に改称)に設置し、五一年に守山町立守山高等裁縫女学校になった時に、同市吉身一丁目の南井家に引き取ったという。以来、同家の庭の門柱となっていた。
 南井家の改築の際に売却され、名古屋市内の骨董品店に渡ったが、記念誌の作製メンバーらが裁縫教室時代の校門が残っていたことを知り、骨董品店などに働きかけ、同窓会にも協力を求めた。
 里帰りした校門は三月初め、同高の敷地内にある針塚の前に設置された。実行委は、敷地内で建設予定のメモリアルパークへの移設を市に要望している。
 南井氏の孫良彦さん(四三)=同市吉身一丁目=は「私財を用いて学校を開いた祖父を誇りに思う。時代の流れで女子高は立命館に移管されたが、校門が祖父の精神を伝え続けてくれれば」と話している