移管の悔しさ胸に 最後の卒業生、巣立つ

朝日新聞(2006年03月02日)

【市立守山女子高】

 4月から学校法人立命館(京都市)へ移管される守山市立守山女子高(北川晴雄校長、同市勝部3丁目)で1日、第45回卒業式があった。市立女子高としては最後の卒業生となった生徒180人は、3年間の楽しい思い出や、存続の訴えが届かずに母校の女子高がなくなる悔しさを胸に巣立っていった。

 卒業証書を受け取ったのは、情報ビジネス科67人、生活総合科78人、英語科35人。在校生約200人や保護者約200人が最後の式を見守った。

 生徒らは移管について率直な思いを語った。2年の西田沙希恵さん(17)が「先輩たちは学校存続を訴えるためアンケートやビラ配りなどあらゆる努力をしてくれた」と送辞を読むと、会場のあちこちからすすり泣きの声が漏れた。卒業生代表の佐藤真利子さん(18)は答辞の中で、韓国への修学旅行といった学校生活の思い出をたどった後、「私たちの悲しみと怒りの言葉や涙もむなしく、移管はなくならなかった。在校生は守女としての誇りをもって生活していってください」と後輩たちに語りかけた。

 女子高は1931年に裁縫学校として誕生。51年に旧守山町の町立守山高等裁縫女学校、59年に守山女子高になり、現在まで続いてきた。厳しい財政下での学校運営に悩む市側と、付属高校を新設したい立命館の思惑が一致し、昨年、移管計画がまとまった。

 24日午前10時から同高で移管式典がある。