卒業式:去るも残るも、無念の涙 市立守山女子高、立命館に移管

毎日新聞(3月2日)

 ◇最後の卒業式「守女生の信念持って」

 新年度から立命館守山高に移管される守山市立守山女子高(同市勝部3)の最後の卒業式が1日、同校で行われ、180人が卒業した。在校生、保護者が見守る中、厳粛に進められたが、送辞、答辞共に移管に対する無念の思いが述べられ、会場からはその都度すすり泣く声が漏れた。【阿部雄介】

 五つのクラスごとに卒業証書が渡された後、山田亘宏市長が移管について「心配と心の負担をかけた」と改めて生徒に謝罪した。

 送辞に立った在校生代表の西田沙希恵さんは「突然の移管は驚きと悲しみと憤りでいっぱいだったが、その中でも(卒業生が)リーダーシップをとって私たちの思いを代表して、守女の存続のためにあらゆる努力をしてくれた」と話し、「4月からも伝統を引き継いで頑張りたい」と涙ながらに締めくくった。

 卒業生代表の佐藤真利子さんも答辞で「母校が無くなる現実に怒りを覚えたが、移管を止められず、もどかしい思いでいっぱい」と無念さをにじませた。在校生に「守女生の信念を持って生活してほしい」とエールを送ると、卒業生、在校生共に涙が止まらない様子だった。

 今後PTAや同窓会が中心となり、24日に同校で移管式典を、4月1日には大津市のびわ湖ホールでメモリアルイベントを開くことにしている。

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 県内のほとんどの公立高校で1日、卒業式があった。全日制、定時制、通信制を合わせた今年度の卒業者総数は1万1609人。