夢に向かって 平安女学院を訴えた私は、この春、新たな挑戦をします。

滋賀民報 2006年1月1日 第1794号

 毎日のように事件が報道され、世間を騒がせています。私たちはいつ被害者になるかわかりません。私自身、自分が通う大学のキャンパス移転が、それも突然の移転通知が自分にこれほど大きな影響を与えるとは思ってもいませんでした。
 自分が選んだ学習環境。しかし、学院はその学習環境を私から奪おうとしたのです。大好きな守山キャンパスで学びたい!守山キャンパスの存続に向けて何かやってみようと思いついたのが署名活動。しかし、私は署名というものがどういうものなのかさえ知りませんでした。何もかもが初体験。とりあえず、やってみない事には始まらないから、と私たち学生はまず署名用紙を作り、街へ飛び出しました。
 署名を呼びかけていると、多くの人が「頑張って」と温かく見守ってくださいました。なかには「こんな事をして何になるの?」と言う人もいましたが、「守山キャンパスで学びたいからやっています!」と笑顔で答えました。すると、その人はうなずきながら署名してくれたのです。「頑張っている人を見たら何かしてあげたくなる」と言って、私たちにシュークリームを買ってきてくれる人もいました。
 勇気を持って声をあげ、行動してみると、「頑張って」と助けてくれる人がたくさんいることにも気づきました。この励ましがなかったら、私は学院を訴えるということはしなかったかもしれません。「頑張って」という言葉が私には大きな励みになりました。
 結局、私たちは守山キャンパスで学ぶことはできなくなってしまいましたが、この活動は私を大きく育ててくれました。常に問題意識を持ち、時には声をあげて行動することが大切だと思い、今まで人ごとだと思っていた事も自分の事として捉えるようになりました。
 学ぶ権利を守るために最高裁まで上告した私は、今後この経験を生かし、この春、法律の勉強に挑戦しようと思っています。