守山キャンパス、守山市が11月1日付で立命館に無償譲渡

報道関係
■市立守山女子高の移管問題:立命館に平安女学院大跡を譲渡−守山市 /滋賀 毎日新聞(2005年11月3日)
■来春の開校決定  立命館守山高 12月にも中学併設申請 京都新聞(2005年11月1日)
■守山女子高校を立命に移管 BBCびわ湖放送ニュース(2005年11月1日) 

立命館大学
■立命館守山高等学校の開設について〜設置者変更等につき滋賀県知事の認可を受けました(2005年11月2日) 

 

あらためて,立命館に無償譲渡される発端について

守山市議会での審議経過

平成17年第2回守山市議会臨時会会議録(第1日)2005/05/12

決議第1号 市立守山女子高等学校を学校法人立命館へ移管することに関する決議について

赤井清司
 ただいま議長のお許しをいただきましたので、私は決議第1号市立守山女子高等学校を学校法人立命館へ移管することに関する決議の提出者として提案理由の説明をさせていただきます。
 なお、この決議第1号につきましては、賛成者、守山市議会議員辻ひとみ、同じく藤木猛、同じく高田正司、同じく本城政良、同じく小原敬治、同じく森貴尉、同じく寺田武正、同じく田中国夫、同じく中野隆三、同じく中島幸一、同じく池田眞二、同じく菱倉佳代、同じく廣實照美、同じく山川明男、同じく富樫孝、同じく大瀬洋子、同じく澁谷成子の各氏の賛成を得ております。
 それでは、決議の本文を朗読いたしまして、趣旨説明とさせていただきます。
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市立守山女子高等学校を学校法人立命館へ移管することに関する決議

 市立守山女子高等学校は、昭和34年現在の地に町立守山女子高等学校として創設されて以来、46年の歴史を刻んできた。この間、本市はもとより県下の高等学校教育、特に女子高校として大きな貢献をし、その役割を果たし、その功績を高く評価するものであります。
 しかし昨今、少子化や、男女共学指向の増大など、高等学校を取り巻く環境に大きな変化が見られ、今後、将来にわたり本市女子高等学校の運営を続けていくことに大きな不安を抱かざるを得ないものであります。
 このような状況下にある守山女子高等学校の今後の方策として、平成17年3月31日の守山市議会全員協議会において、守山市行政より守山女子高等学校を学校法人立命館に移管することについての提案と説明がなされたのであります。これを受け、議会として長年守山市が支えてきた守山女子高等学校が高等学校教育機関として、その灯を消すことなく立命館高等学校として生かされ、本市の将来を展望したとき意義あることと考えるものであります。
 一方、学校法人平安女学院の高槻統合にかかる問題についても、その跡の利用が教育の場として承継されるならば、補助金問題をはじめとする諸課題の解決はもとより、用地を提供いただいた地権者の皆さんの意向にも応えることになります。
 ただ、このことは守山女子高等学校の在校生を初めとする関係者の皆様に対しては大変な精神的ご負担とご迷惑をおかけすることから、行政は誠実かつ現実的な対応が求められることは言うまでもありません。生徒や保護者等の要望をしっかり受け止め、最善の努力を図られるよう議会としても願うものであります。
 以上、守山市議会としては、市立守山女子高等学校を学校法人立命館へ移管することについては、本市の将来のまちづくりを考えるとき、必要かつ的確な判断としてその取り組みを進めるべくここに賛同の意を表するものであります。
 以上、決議する。

平成17年5月12日
守山市議会

 以上、議員各位のご賛同を賜りますようよろしくお願いいたします。

木村市議による質問

…… 3月30日の朝日新聞の夕刊の報道によって守山市長が、守山女子高を無償で学校法人立命館に移管しようとしていることが明らかになりました。私のみならず女子高の関係者にとっても、市民にとっても、まさに青天のへきれきでありました。翌日開かれた全員協議会で、市長から昨年6月に立命館が滋賀県に進出したいと聞き及んでいたので、私が出向きました。その後、何の連絡もなかったが、昨年12月に立命館から返事があったと表明したことから、議会に相談しないで市長が単独で行動していることが明らかになりました。
 本来、このような重大なことは議会に事前に相談するべきなのに、何の相談もなく立命館との協議を進めるというのは議会軽視と言わなければなりません。交渉事だからという意見もありますが、その場合でも議会の了承があることが大前提であります。議会の了解を得ないで単独で物事を進めるということが許されるはずがありません。議会を無視して立命館との協議を進めていることに対して、議会として市長に反省を求め、物事を市民の立場で進めるべく軌道修正をしなければならないのに、市長と同じ立場に立っているというのは本末転倒です。議会は市民の代表として行政の行うことをチェックするのが本来の使命でありますが、そのことを行わず、推進する立場で決議を提案されています。その理由について、まずお尋ねします。

 2つ目の質問は、守山の今回の移管についての説明に説得力がないことであります。
 これまで市長からは女子高の運営に危惧を抱いているという発信は一度もございませんでした。今になって突然、そのような理由を提示されても市民は戸惑うばかりであります。以前から、今回、理由にしているような問題意識があったのなら、数年計画で教育委員会として対策が講じられるべきでありますし、現に、今まで英語科を新設するときには審議会をつくって広く議論を重ねてきたではありませんか。現場では、今年度からホームヘルパーの資格が取得できるような対策を講じて、魅力ある女子高にしようと努力していたやさきのことであります。余りにも唐突な提案であると私は思いますが、提案者はどのようなご認識でしょうか。
 昨日の文教福祉常任委員会協議会では、結局、今回のことは平安女学院大学守山キャンパスを立命館に提供するために女子高を犠牲にするということがはっきりしました。守女の生徒や教師が犠牲になるのはおかしいと思います。

 3つ目の質問は、生徒、教職員、PTAが反対していることとのかかわりであります。生徒は4月3日と10日の説明会で守女の生徒として誇りを持っている、守女の生徒として卒業したいと表明しています。新1年生の保護者からは、立命館に変わるのがわかっていたら守女を受けていない人もいたはずだ、なぜ今まで知らせてくれなかったのか、私たちは裏切られた、まさに詐欺行為だという悲痛な声が大半でした。教職員も断固反対との意思表明をした文書を市長に提出しています。
 これに対して、市長は関係者の反対があっても強行すると生徒に発言をしているのです。決議にあるような最善の努力をしても、移管である限り、生徒や教職員の願いが踏みにじられると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 4つ目の質問は、議会での市長の言明を守っていただくことであります。市長は3月議会まで平安女学院に補助金返還を求める訴訟をすると言明していました。議会での約束を履行するように求めることが、議会人としての責務だとは思われないのでしょうか。お尋ねいたします。
 5つ目の質問は、昨日の総務委員会で、立命館が担保の保証をしたがらない、50年、60年先はわからないというのがその理由のようでありますが、こんなことでは平安女学院大学と同じ過ちを犯すという指摘がありましたが、私も同感です。提出者はどのようにお考えでしょうか。
 総務常任委員会協議会では、8億円の滋賀県補助金をなぜ市民が負担しなければならないのか。市民の批判は厳しいという声もありました。提案者は賛同されているのですから、このことに対して、市民への説明をどのようにされるのでしょうか。
 最後に、市の財産(守女)を考える会が32億円の市民の財産の保全と有効な活用なために市議会での十分な審議を心から願っておりますという問いかけを議会にされていますが、このことにどのように答えられるでしょうか。お答えを求めまして、私の質問を終わります。

答弁
赤井清司

 1点目でございます。議会は行政の行うことをチェックするのは本来の使命であるが、そのことを行わず推進する立場で決議を提案する事由はということについてでございますが、私は物事を進める手順として、お説のとおり、今回、問題はあるものの、将来的な守山市のまちづくりの観点から総合的に判断して、今回、市長の方針に賛同するものであります。
 2つ目、市長からは女子高校の運営について危惧を抱いていることを一度も聞いたことがない、今回の移管は余りにも唐突であります。また、生徒や教師が犠牲になるのはおかしいとのことについてということでございました。私は、守山女子高等学校のあり方については、以前からの検討項目であり、過去にも審議会での議論もありました。たまたま私もそのメンバーとして議論に参加させていただいた記憶もあります。
 そうした中で、このたび立命館からまたとない提案がもたらされたわけであり、将来のまちづくりを考えるとき、この提案を受ける判断は必要な選択として考えたからであります。犠牲ととらず、生徒さんたちが守山女子高等学校で学んだ誇りを持ってもらうように指導する姿勢こそが求められるものと考えます。
 3つ目でございます。最善の努力をしても生徒や教職員の願いが踏みにじられると思われることについてどう思うかということであります。私は、市や市の教育委員会は現在、要望にこたえるべく努力をしておられますし、また、努力を行おうとされておられます。この誠心誠意を持った対応こそが、必ずや結果につながるものと考えています。
 4点目でございます。学校法人平安女学院への補助金返還訴訟の方針が変更されたことについてはどうかということでございます。問題の解決の方法として、補助金返還よりも、よりよい選択をされたものと私は考えました。
 5点目の1つ目でございますけれども、担保の保証を求めることについてはどうかということについてでございます。担保の保証は、学校法人平安女学院と同じ轍を踏まないことが大事であることから、覚書書に入れ込むべきであると思っています。
 5点目の2つ目でございますけれども、滋賀県の補助金を市が負担することに市民の批判は厳しいという声がある、賛同しているのだから、このことを市民にどのように説明するのかということについてでございます。私は、もともと県の補助金8億円は建物に対してあることから、県の持ち分も含め建物を守山市がすべて引き継ぐことでありますから、当然、その対価を負担するものと考えています。
 6点目、住民活動が市議会での十分な審議を求めているということについてどうかということであります。私は、将来のまちづくりを考えたとき、正しい選択であると考えます。
 以上、すべての質問にお答えさせていただきました。よろしくご理解を賜りますよう、またご賛同をお願い申し上げまして、ご答弁とさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

再質問
木村眞佐美

 それでは、提案者に再度質問させていただきます。
 総合的に今回のことは判断をされたとおっしゃいました。しかし、その前提としての民主主義のルール、これを大きく踏み外している。これが前提になければならないのではないでしょうか。しかも、私たちは市民の代表です。行政が間違ったことをしているときに、やはり市民の声を代表して市長にそれを迫る、こういう役割があるわけです。その点で、今回のことは事柄もそうですが、その前提としてのルールを誤っている。これは立場が同じだったとしても、そこは私は先ほど抗議申し上げましたけれども、議会として何らかの形を進めるべきではなかったかというふうに思うんです。
 日本はやはり法治国家です。民主主義のルールを踏み外して、それを容認するというのは市民の立場に立った態度とは思われません。そこのところはどのようにお考えでしょうか。
 それから、私は女子高の将来をみんなで考えていく、これはとても大事なことだ思います。しかし、今回のはそういうことではないんです。とってつけたような理由で、確かにそういう課題もあるでしょう。しかし、先ほど申し上げましたように、英語科のときには1年ぐらいかけてどうしよう、こういうことをみんなで議論しました。議会でも審議しました。そういうことであるならば、私は大賛成です。守山の歴史あるこの守山女子高をみんなで盛り上げていこう、そういうことについてなら、もちろん大賛成ですが、今回の場合は違います。とってつけたような理由で学生さんや教師、そして親御さんの怒りもすごく大きかったですが、いずれにしても、人の人生にかかわることです。それを市長が勝手に決めていいのかというぐらい、やはり市会議員としては言うべきではないんでしょうか。
 それと、教育委員会も努力しているということでしたけれども、幾つか、やはりほころびが、きのう、きょうの行動の中でも起きてきています。詳しくは申し上げませんけれども、やはりそういう不安、教師にもあります。生徒たちにもあります。部活に身が入らない、そういうことをこれから3年間続けていかなければならない。毎日毎日子どもは成長しています。そういうときに前提として強制的に子どもたちをそういう状況に遭わせた。先生たちだって県に頼むと言っていますけれども、どこまでできるか、それはわかりません。保障はないんです、今。確約もありません。そんな状況に追い込んだ教育委員会も、やはり大きな責任があると思います。大前提としてのことが抜けているわけですから、幾ら努力をしてもほころぶだけです。
 生徒、教職員、PTAが反対しているということについては、それに対してどう思うのかということについて、お答えがございませんでした。今週の土曜日にはPTA総会が開かれます。恐らく抗議を撤回するというようなことはないと思います。教職員も同じ立場です。人が反対しているのに、それを強行するという、これはやはり断罪されなければならないと思うんです。
 そういう政治生命をかけたか何か知りませんけれども、それはそういう決意を子どもたちに言うことも間違っているのではないかと。我々に言うのならわかります。子どもにそう言うことはおどかしの一種でも、私はあると思います。共産党議員団のこの間の市長への申し入れでは、私が強行しても、市長、やるんですかと聞いたときには市長はためらいました。でも、後で聞いたら、学生さんにははっきり反対があってもやると言わはってんで。それを聞いて、本当に驚きました。まだ未成熟な子どもにそういうことを言うという感覚を疑いたくなります。そのことも含めて、皆さんは、共産党議員団以外はこのことを支持されている。
 そういう点で私は、そういう感覚というんでしょうか、民主主義を冒涜していると言ってもいいと思います。そういう状況に、なぜ同じ立場に立つんだろう。
 先ほど将来のまちづくりとおっしゃいました。ちょうど、平安女学院のときもそうでした。将来のまちづくり、しかし、5年たって失敗しました。保障はありません。もう私たちは苦い経験をしています。そして、それもそうですけれども、守山市が今やろうとしていることはどういうことでしょうか。お金がないと言いながら、新幹線には3億7,700万円、ことしは国民健康保険税、水道料金を引き上げます。その一方で、立命館には33億円、これからまだ8億円出す、そんなこと、普通の市民生活をしていたら、そんな感覚はわかりません。
 私は、今の守山市政が市民には大きな負担をさせながら、立命には33億、どういう感覚をしているんだろう。将来のためと言いますが、今、毎日生活をしている人たち、この人たちのことを考えないで将来のことばかり考えているというのは、余りにも現実味がない対策や施策だというふうに思わざるを得ません。この場で、皆さんは公共料金の引き上げに賛成されました。私どもはもちろん反対しましたが、そういう点で同じ土俵の中におられるんでしょうが、市民は大変苦しい生活をしています。小泉構造改革で7兆円の負担、そういう中で守山市でもそういうことをるるやろうとしています。バラ・ハーブ園や近江妙蓮公園、100円、200円、こういう公共料金を上げようとしているわけです。
 そんな中での立命というときに、どうも釈然としないな、得をするのは立命と平安女学院大学だけで、市民だけがなぜ負担をしなければならないんだろう。しかも、守女を廃校にしてまで、という率直な疑問です。
 そういう点で、やはり市民の代表としての立場、プライドがあると思いますが、こういう大事なときにそういう立場に立っていただきたいなという思いでいっぱいです。
 提案者に再度お答えいただきたいと思います。
 以上です。

答弁
赤井清司

 それでは、木村眞佐美議員の再度の質問にお答えさせていただきたいと思います。
 多くを質問いただきましたので、すべての分について的確に質問に対して答弁できるかということは自信がないわけでありますけれども、いずれにせよ、ルールということを第1点目に申されまして、議員としてということでございます。
 私は、最初の質問のときに述べさせていただきましたように、確かに物事を進める手順ということについては、木村眞佐美議員がおっしゃるように、るる1つずつをチェックしていくと、すべてではございませんけれども、大きく決意をされている部分は同感であります。がしかし、何遍も申し上げておりますように、あくまでも、やはり明るい前進ということと、これから先の将来を考えたときに、今、そのチャンスがどうであるべきか等的確に判断して正しい方向づけとして選択をしたというのが、私の思いでございます。
 それと、2点目でございますけれども、とってつけたような理由で女子高を移管しようということでございますけれども、今、先ほど申し上げましたように、その時期がちょうど私たちの問題を提起を受けている、あるいはそういうことにつけ時期が一致した、そういう時期にたまたま遭遇したということで、その両方を市長自身が苦渋の選択をして今回提案をしようとする部分についたということでございますので、確かにそのことも、私たちも将来性を見込んで、その賛意を賞賛するというところに着けたわけであります。
 それから3つ目、今の環境に子どもたちを追い込んだ、今の諸問題も含めてでございますけれども、非常に申しわけないということで、市長も先ほど提案理由の中で申されておりましたように、私もおっしゃるように同感する部分はございますけれども、明るい前進と、そういう立場から真摯に受けとめられまして、直接誠心誠意、今後、尽くされることを必ずやお約束をされることを申し上げるべきように進めてまいりたいというように思っております。
 それから4つ目ですけれども、反対しているのを強行している、この子どもに対しては、ある意味ではおどかしのようになるのではないかとか、なぜそんな状況で同調するのかということがございましたけれども、こういう物事のとり方につきましては、やはり思いの相違があるというところに、私の思いと木村議員の思いのその差が、今回の質問という形にあらわれてきたと思いますので、私はあくまで、何遍も申し上げますように、決議の中で述べさせていただきましたように、総合的な判断、それから本市の将来のまちづくりという双方を考えたときに、やはり必要な取り組みであるというその思いが先行しているということでございますので、今回、賛同の意を表したものでありますので、どうぞよろしくお願い申し上げまして、再度のお答えとさせていただきます。
 ありがとうございました。