資料(3)
立命館当局の動きと3者による共同不法行為

資料(3) 立命館当局の動きと3者による共同不法行為

 立命館大学教職員組合2005年8月3日発行のNO.86組合ニュース(資料4)に、立命館から平安女学院に10億円の積極的な支援を行なうとしてその支援の内容が掲載され、その支援を両者間で約束した「5月16日常務理事会文書」の存在まで明らかにした(「守山市立守山女子高等学校の立命館への移管と、これと関わっての平安女学院との提携について」)。5月16日という日はどういう日なのか。5月12日の市議会での決議を受けて、「守女を立命館に移管する」という守山市と立命館の調印日の前日です。「市の財産を考える会」も、調印直後すでにこの「密約」ともいえる約束が立命館と平女の間で交わされたという情報はつかんでいましたが、この組合ニュースによって明確になりました。このことによって、「守女、平女守山キャンパス(平女が守山市に寄付することを受けて)を立命館に無償譲渡、平女の補助金返達を免除する」ことの不当(不正)とその背景と意図、そして平女と立命館との関係が明らかになったといえます。

 立命館大学教職員組合は、このことが市民の知るところになれば、平女への守山市民の批判が立命館に飛び火して、社会的な批判を浴びるとまで指摘しています(きわめて正当な批判です)。またこの組合ニュースによって、そうした事態を招きかねないとの立命館当局のあわてふためいた「緊急の対応」の情報から、立命館、平女、守山市長3者の仕組んだ「仕組み」は崩壊する危機的状況に陥っていたことがうかがえます。さらには、少子化の時代での中学・高校の新設は困難であり、設置者の変更か移管しか付属高校・中学の拡大はできないこと、守女の移管と平女の再建援助が一連のものであることも明らかになってきています。

 まさに、「平女と立命館が得をし、守山市だけが一方的に損をする」(資料2)仕掛けに守山市(守山市長)が加担したということです。その背景や事由・意図を明確にしなければなりません。また、守山市長は、この仕掛けの中に守女を「政治生命をかけて」組み込んで、生徒、教師と親を混乱に陥れた責任は重い。これら一連のことは、犯罪であり、市の財産の横領(共同不法行為)に当たるのではないか、告発も視野に入れて監査にあたる必要性を指摘します。

 立命館常任理事会(9月4日)の文書(資料5)によれば、守女は「引き続き市立高校として運営をするという方針は、………断念せざるをえない」し、県立への移管も困難、廃校も同窓会その他社会的批判も受けることなどを考えると、結局有力な市立学校に引き受けてもらう以外にないから、「立命館に引き継いでもらうことがもっとも現実的で有効な方策である」と、守山市(市長と市議会)が判断して、立命館に協力依頼をしたことになっています。しかし立命館が引き受けるためには1200名規模の学校でなければ経営は困難で新たなキャンパスを用意することが必要であり、守山市に責任を以て対応することを求めた結果、「守山市は、かねてからの懸案事項であった平女守山キャンパス問題の解決を立命館に依頼し、そのことによって、立命館守山高校の新たなキャンパスを確保する方策を追求した」ということになっています。

 さて、今年3月未の新聞記事の以前に、守山市長と市議会が、守女の今後について「市立高校として運営するという方針」を断念して有力な私学に引き継いでもらう「判断」が本当になされたのか、そのための議会での審議があったのか、市長と市議会との協議と合意がなされたのかどうか、議会議事録の公開を含めて明らかにしてください。もし本当のことであれば、市議会は完全に市民に嘘をついたことになります。「市会議員も、新聞で初めて知った」−これが市民の把握している「真実」です。守山市長が、立命館に平女問題の解決を依頼したことが本当であれば、すでに指摘した仕組みは平女と立命館が練りあげてつくったことになり、そこに「平女に立命館からの10億円の支援」を組み込んでいたことを含めて、守山市長は、守山市だけが一方的に損害を被るこの仕組み、守山市に多大の被害を与えた平女までも救済するという仕組みに同意した上で、立命館が平女に10億円の支援をするということを市民に隠し続けてきたということになります。しかも、立命館常務理事会の文書から推測すれば、当然市議会もこうした経緯を含めて新聞で明らかになる前に、了解していたということになりますが、事実を明らかにしていただきたいと思います(資料9)。

 守山市の財産は、平女の救済(再建)と立命館の事業拡大というふたつの私学の経営と事業のために使われた、それ以上でもそれ以下でもない!そのうえに、この仕組みを「市民の公共の福祉」に見せ掛けるために守女が使われた一人身御供にされたということなのではないでしょうか。

 もうひとつ、守山市の公報誌では、守山キャンパスを立命館が使うのであれば、守山キャンパスを守山市に無償譲渡(寄付)するとの平女の申し出(立命館を経由して)を受けて、立命館との関わりが始まったようになっていますが(資料10)、経緯について立命館と守山市の問に相違があります。しかし、このふたつの文書をつなぐと、平女と立命館との話し合いの中で「立命館が使用するのであれば守山キャンパスを守山市に寄付する」という平女の「申し出」が、「立命館から平女へ10億円の支援」をふまえて作り上げられたということが、より確かなものになります。