2004年12月
    ドキュメント びわ湖守山キャンパス移転・統合・譲渡問題 全記録(6)

 2004年12月03日

原告の川戸佳代さん、
大津地裁に「準備書面(1)」を提出


大津地裁原告側「準備書面(1)」(全文)

平成16年(ワ)第573号 就学する権利等確認請求事件

原  告  川戸佳代
被  告  学校法人平安女学院

準備書面(1)

2004年12月3日

大津地方裁判所民事部 御中

原告訴訟代理人弁護士   吉原 稔

1 本件在学契約には,守山キャンパスを就学場所とすることが契約の内容となり,債務となっている。このことは以下の理論からも肯定される。
  いわゆる「規範設定契約」とは,
 @ 規範設定契約(Normenvertrag) 
   一連の同種の個別契約が従うべき一種の規範を設定する合意。例えば労働協約がその典型であり,それは使用者団体と労働者団体とが,個々の使用者と労働者によって締結されたあるいは締結される個別労働契約に対して規準となるべき賃金その他の労働条件について合意するものである。(全訂法学辞典,末川博編,p158)
 A 市町村(甲)とガス又は水道会社又はゴミ収集会社(乙)との間に,料金その他の市町村民への供給条件を定める契約をした場合,これが第3者のためにする契約であるか否かについて争われたが,この問題につき,来栖博士は,この種の契約は「市町村民と会社との間でさらに締結されるべき供給契約の条件を定めるにすぎないので,組合員の雇用条件を定める労働組合と雇主との間の労働協約に類する。すなわち,市町村と会社の間で定めた料金,水圧,その他の許可条件は,当然会社の市町村民への供給条件の一部となり,市町村民との間で別段の契約のない限り,その条件に従って契約がなされたと考えうるのではないか。従って,別段の特約がない限り,もし会社が許可条件に反したときは,市町村民は直接会社に対し,契約不履行の責任を問いうることになるだろう。ただ労働協約と異なり,許可条件に反する別段の特約があれば,それは市町村民との間では当然無効ではないだろうが,市町村に対する許可条件違反たることは免れない。けだし,市町村が許可条件を付するのは単に市町村民が欲すれば権利を取得させることを目的としているのではないから」とされる(注釈民法(13),p623,中馬)。
 B「[例題5] 市が水道会社に水道事業の許可を与えるに当って,一定の水圧を保つことなど給水条件を定めた。ところが市内に火事がおこったとき水圧が低くポンプの水が高くあがらなかった。そのために罹災した市民は,水道会社に対し契約不履行を理由に損害賠償を請求することができるか。
  [解説] 市町村とガス会社,水道会社などとの間で,事業の許可に当り,料金その他市町村民への供給条件を定めることが第三者のためにする契約であるか否か,換言すれば,市町村とガス又は水道会社との契約に基き,市町村民は,直接会社に対して契約上の訴権をもつか否かは諸外国でも争われている(沢木「第三者のためにする契約の法系別比較研究」比較法研究13号55頁註四,G.Wesenberg,Vertrage zugunsten Dritter 1949.s.141 f)。
   もし,会社が許可条件をとり入れた供給規定をつくり供給規定によって市町村民と具体的に契約を締結して給水するなら,勿論市町村民は会社に対して直接契約上の訴権をもつが,それは自分自身の契約に基くので,会社と市町村との間の第三者のためにする契約に基くなどという必要は全くない。従って会社と市町村民との間の具体的な契約で特に定めなくても,市町村の許可条件を,市町村民が直接会社に対して主張しうるか,しうるとしてその理由づけ如何が問題なのである。
   会社が許可条件に違反すれば市町村において,許可を取消すなどの手段をとりうるだけで,市町村民は直接会社に対し,契約不履行の責任を問い得ないとする考え方もあるだろう。しかし,市町村民に許可条件の履行を直接会社に対して,請求しうるとしてよいように思われる。市町村と会社の間で定めた料金,水圧その他の許可条件は,当然会社の市民への給水条件の一部となり,市町村民との間で別段の特約のない限り,その条件に従って契約がなされたと考えうるのではなかろうか。ただ労働協約と異なり,許可条件に反する別段の特約があれば当然無効ではないであろう。従って本例題でも,別段の特約がなかった限り,市民は水道会社に対し契約不履行による損害賠償を請求しうると思われる。
   それなら市が水道会社に許可を与えるに当たって給水条件を定めたのを,第三者のためにする契約として,右の結論をみちびくことができないであろうか。確かに,ときに,第三者のためにする契約とされたこともある。しかし,水道会社が市町村民との間の合意で給水条件を変更し,高い料金をとったり,水圧を低くしたりすることは,市町村民との間では当然無効でないとしても,市町村に対する許可条件の違反たることは免れないだろう。市町村が許可条件を附するのは,単に第三者が欲すれば権利を取得させることを目的としているのではないからである。かかる市町村と会社との間の定めを,それにもかかわらず,なお第三者のためにする契約と構成しうるかが本例題の論点である。(以上,来栖三郎,「第三者のための契約 民法例題解説U,p127)」
2 本件では,大学設置に際し,守山キャンパスを設置することを文部科学省が認可し,かつ,守山市が基本協定書を結び,被告が守山キャンパス設置を約束し,かつ滋賀県が被告の守山キャンパスを設置するとの申請に基づいて,それぞれ多額の補助金を交付し,被告が文部科学省,守山市,滋賀県に対し事業遂行義務(本件では守山キャンパスにおいて就学させるという継続的供給契約による義務)を有するに至った。本件では,守山キャンパスの設置存続は右にいう規範設定契約における市町村と会社の契約に定めた許可条件にあたるものであり,会社の市民への供給条件の一部となり,その条件に従って市民との間に契約がされたものといえるものであり(本件では在学生と被告との在学契約),会社が許可条件に違反したときは,市町村民(本件では在学生)は,直接会社(被告)に対し契約不履行の責任を請求する(本件は完全履行の請求)ことができるのである。
以 上


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大津地裁「準備書面(1)」

 

 

 2004年12月06日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

第1回口頭弁論の開催



12月6日  初弁論

 開廷前にテレビのカメラが入りました。その様子は夕方のニュースで放送されました。開廷になってから被告席には弁護士しか座っていませんでした。
 私は緊張のなか、意見陳述を行いました。


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川戸佳代さん「裁判日記」

 

 

 2004年12月06日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

川戸佳代さん、陳述書を提出



2004年12月6日

大津地方裁判所 御中

川戸 佳代

陳述書

 私は、滋賀県守山市にある平安女学院大学現代文化学部(びわ湖守山キャンパス)に在籍する3回生の学生で、学生だけでつくる「平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会」の代表です(以下、「守ろうの会」と省略させて頂きます)。私たち学生が、来年度から守山キャンパスの閉鎖(高槻キャンパスへの移転)の事実を知ったのは、今年4月の新聞報道(「びわ湖守山キャンパス、高槻に統合 平安女学院が検討」京都新聞)によってでした。私は、この新聞報道から来年はどうなるのかという不安な日々を送ってきました。翌5月の学院広報誌からは、びわ湖守山キャンパスの名が削除され、まだ在学しているのに私たちの存在が消されたという事で、精神的に大きな打撃を受けました。「ヒドイ」と言って泣いている学生もいました。その後、5月中旬になってようやく教員によって説明会が行われました。要望を理事に届けるという説明を受けたので、私たちは統合の白紙撤回や経営に関わった全理事からの説明を強く求めましたが、その後返答はありませんでした。授業料等を支払い、教育サービスを受けている学生の要求を聞き入れようとしないこのような学院側の一方的な態度に憤りを感じ、結成したのが「守ろうの会」です。

 私たち「守ろうの会」は、署名活動を中心に守山キャンパスの存続を求める活動を行ってきました。集まった署名は、守山市長・滋賀県知事・文部科学大臣に提出しました。

 私たち学生は、大学を核としたまちづくりを掲げる守山市に設置された大学に入学しました。私たち学生にとっては、学校選択時に大学がどこに位置するかという事が、全国に数多くある大学の中から入学志望大学を選ぶ際に重要な点となります。私が通う守山キャンパスには、家から大学までが近く自転車やバイクで通えるからといって入学した学生だけでなく、遠くても守山という静かな環境の中で学びたいという思いを持って入学した学生もいます。私自身、守山市という環境に建つ新しい校舎が気に入って入学しました。大学案内のパンフレットには「Lake Side Campus Lake Biwaの風を感じて」というフレーズがありました。私は、このパンフレットを見てオープンキャンパスに行きました。そして、施設を案内され、新しくきれいなキャンパスにおいて少人数制クラスで学べるという説明を受けたのち、入試の申し込みを勧められたので親同席の下に申し込みをしました。

 私は、去る10月に友達と高槻キャンパスを見学しに行きました。高槻駅の改札を出てから駅構内にエレベーターは無く、駅からキャンパスまでは満員のバスに20分程乗らなければなりません。高槻キャンパスは坂や階段が多くエレベーターも少ないため大変疲れました。高槻キャンパスは守山キャンパスに比べてとても狭くて窮屈でした。又、設備も古かったです。高槻キャンパスの学生は「私らが守山に行きたいわ、きれいやし」と話していました。

 学院側は少子化を統合の理由のひとつとしています。しかし、「守ろうの会」が県知事に署名を提出した際、政策調整部長は、「滋賀県は人口が2030年まで増加する事が見込まれている、そんな中での今回の統合という事で大変驚いている」とおっしゃっていました。私は、学院経営の失敗をなぜ学生が被らねばならないのか解りません。学院側は、私たち学生が出て行った後も市民大学講座をするとしていますが、学園機能を残せるのなら、なぜ在学生を追い出すのか明らかにして頂きたいと思います。

 このような疑問を抱き、守山キャンパスの存続を求めているのは私だけではありません。例えば、私が在籍する国際コミュニケーション学科3回生のうち、9割の学生(休学、留学を除く)が署名をしています。学生会会長も署名しています。そして、私たち学生と大きな関わりをもってきた守山市民のうち約9千人、守山市全人口の13パーセントの方が署名しています(署名総数は約2万筆)。この中には、守山市長及び守山市議会議員、市役所職員の署名も含まれています。「守ろうの会」が署名活動を行う中で聞いた多くの市民の声は、

・できたばっかりやのに、急な話で学生さんがかわいそうやな。

・1年生は統合を知ってて入学したの?

・卒業生1回しかだしてはらへんのにな。もったいないな

というものでした。このように多くの方々が、私たちの活動に協力して下さっています。

 私は在学生が卒業するまでは、入学前に学院側から示されたような、守山キャンパスでの教育環境(学校環境)が守られるべきであると思い、存続を求める活動を約半年間にわたり行ってきました。しかし、学院側の学生を無視した決定によって着々と統合の準備が進められていくことから、最後の救済のよりどころとして裁判所にご判断いただきたく提訴致しました。

以上


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大津地裁「準備書面(1)」

 

 

 2004年12月06日

「守山キャンパス就学権確認訴訟」

第1回口頭弁論についのて報道(1)




高槻キャンパスへの統合が決まっている守山市の平安女学院大学の学生がm大学を相手どり守山キャンパスでの就学を求めた民事訴訟で、原告の学生は改めて自らの就学権を主張しました。きょう大津地裁で開かれた初公判で、原告の平安女学院大学現代文化学部の3回生の川戸佳代さんが意見陳述に立ち、来年4月から守山キャンパスが高槻キャンパスに統合され事実上、守山キャンパスで授業を受けることが出来なくなることから「現在の在学生が卒業するまでは守山キャンパスでの教育環境が守られるべきであり、最後の救済のよりどころとして提訴した」と述べ、改めて学園側に守山キャンパスの存続を求める意向を示しました。この問題について被告の学院側は、原告側の請求の棄却を求めるとした答弁書を大津地裁に提出しています。

(びわこ放送2004/12/06)


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 2004年12月06日

「守山キャンパス就学権確認訴訟」

第1回口頭弁論についのて報道(2)



大学側が請求棄却求める答弁書 平女大移転めぐる訴訟の口頭弁論

 平安女学院大のびわ湖守山キャンパス(滋賀県守山市)の高槻キャンパス(大阪府高槻市)への統合をめぐり、学生有志でつくる「守山キャンパスの存続を守ろうの会」の川戸佳代代表(21)が、学校法人平安女学院(京都市)を相手に、在学生が卒業まで守山キャンパスで教育を受けられるよう求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、大津地裁であった。同女学院側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

 訴状によると、学生の就学場所は、平安女学院との在学契約の重要項目で、変更は債務不履行に当たるとしている。守山キャンパス設置の際に、守山市と滋賀県が長期存続を前提に補助金を出しており、同女学院には同キャンパスで教育を続ける義務があり、在学生にも就学権がある、と主張している。

 平安女学院は答弁書の中で「今後、高槻キャンパスに統合する必要性や理由などを説明する」としている。

(京都新聞2004/12/06)


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新聞報道

 

 

 2004年12月07日

「守山キャンパス就学権確認訴訟」

第1回口頭弁論についのて報道(3)



平安女学院大移転訴訟 守山就学は債務、原告側が答弁書−−大津地裁初弁論 /滋賀

 平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市)の移転問題で、同キャンパスの学生が学校法人平安女学院(京都市)に、在校生卒業まで守山市で授業を行うことなどを求めた訴訟の初口頭弁論が6日、大津地裁(稲葉重子裁判長)であった。大学側は請求の棄却を求め、今後、大阪府高槻市に移転統合する必要性や理由などを主張するという。
 原告側は「在学契約は『守山キャンパス』を就学場所とすることを契約した内容で、債務だ」などと主張する答弁書を提出。「大学側が学生による存続活動を無視して移転を決めたことで提訴した」などとする陳述書を出した。

(毎日新聞2004/12/07)


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 2004年12月07日

「守山キャンパス就学権確認訴訟」

第1回口頭弁論についのて報道(4)



平安女学院大側、請求棄却求める 就学権確認訴訟 /滋賀

 定員割れを理由に学生を大阪府高槻市のキャンパスに移すことが決まった平安女学院大学びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)の学生が、大学を運営する学校法人平安女学院(本部・京都市)を相手取り、同キャンパスで授業を受ける権利(就学権)の確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が大津地裁であり、学校側は請求の棄却を求める答弁書を提出した。

(朝日新聞2004/12/07)


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 2004年12月07日

「守山キャンパス就学権確認訴訟」

第1回口頭弁論についのて報道(4)



平安女学院大側、請求棄却求める 就学権確認訴訟 /滋賀

 定員割れを理由に学生を大阪府高槻市のキャンパスに移すことが決まった平安女学院大学びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)の学生が、大学を運営する学校法人平安女学院(本部・京都市)を相手取り、同キャンパスで授業を受ける権利(就学権)の確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が大津地裁であり、学校側は請求の棄却を求める答弁書を提出した。

(朝日新聞2004/12/07)


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 2004年12月07日

滋賀県知事

九日の県議会一般質問で、大学側が計画通りに守山キャンパスを廃止し、高槻キャンパス(大阪府高槻市)に統合した場合には、県が交付した補助金の返還を求める考えを明らかにした。



平安女学院大統廃合 知事「守山キャンパス廃止なら、補助金返還要求も」=滋賀

 平安女学院大学びわ湖守山キャンパス(守山市)の統廃合問題で、国松知事は九日の県議会一般質問で、大学側が計画通りに守山キャンパスを廃止し、高槻キャンパス(大阪府高槻市)に統合した場合には、県が交付した補助金の返還を求める考えを明らかにした。
 国松知事は「来年四月以降、守山キャンパスに学生がいないという状況が生じた時は、補助金返還について県の規則などに従って適切に対処する」と述べた。
 県によると、現代文化学部設置のため、一九九九年と二〇〇〇年の二年間で、同大学に計8億円を交付。守山キャンパスを廃止し、市民公開講座などに活用するとした大学側の計画は、補助金の目的に反するという。県は今後もキャンパス存続を求めていく方針。
 一方、大学に対しては、約26億円の補助金を交付している守山市も「キャンパス廃止という最悪の場合は、県と連携して、補助金返還を求めることになる」としている。

(大阪読売新聞2004/12/10)


平安女学院大統合問題 補助金の返還請求も 現行機能ないなら 知事が県議会で方針

 【滋賀県】守山市三宅町の平安女学院大びわ湖守山キャンパス統合問題で、国松善次知事は九日、同キャンパスから現行の一学部二学科の機能がなくなった場合、県が大学側に支払った施設整備の補助金八億円の返還を求める方針を明らかにした。
 同日再開した県議会本会議で、山田和広氏(自民・湖翔クラブ)の一般質問に答えた。
 国松知事は、同キャンパスを市民向けの公開講座や学生によるイベントの場所にする大学側の意向について「残念」とし、「キャンパスに学生がいないような状況が生じた場合、補助金返還について、規定に沿って適切に対処する」と述べた。
 県の規定は、補助金を受けた建物が知事の承認なしに目的外の用途に使われた場合、補助金の交付決定を取り消し、返還を求めることができると定めている。県は「学生の学びの場」(企画調整課)のため補助金を支出したとしており、守山キャンパスから学生向けの授業がなくなるかどうかを見極める方針という。

(中日新聞2004/12/10)


国松知事が表明 平安女学院大守山校地統合なら、補助金8億円の返還を請求

 学校法人「平安女学院」(京都市)が来年四月から平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)を高槻キャンパス(大阪府高槻市)に統合する問題で、国松善次県知事は九日の県議会一般質問で、予定通り統合された場合、開学時に交付した補助金八億円の返還を求める考えを初めて表明した。
 補助金は、同大の誘致に際し、県が学舎整備のために一九九八、九九年度に交付した。だが、平安女学院は開学から四年を経た今年四月、厳しい運営状況などを理由に守山と高槻両キャンパスの統合を決めた。県は撤回を働きかけているが、女学院は統合方針を変えず、守山キャンパスでは市民公開講座を開く、などとしており、議論は平行線をたどっている。
 国松知事は、対応を見極めながら、守山市と連携し必要な申し入れを行うとした上で「それでも来年四月以降、守山に学生がいない状況が生じた場合、補助金返還について規則に沿って適切に対処したい」と述べた。
 補助金の交付に際しては、県補助金等交付規則に基づき、対象となった学舎について「国の定めた処分制限期間を過ぎるまで、目的外使用などを行う場合、県知事の承認が必要」との条件をつけた。県は、統合はこの条件に違反するとして「五年間の学舎利用期間を考慮し、どれだけ補助金の返還を求めることができるのか、検討する」としている。

(京都新聞2004/12/10)


平安女学院大キャンパス統合問題 知事、高槻移転なら8億円返還請求へ /滋賀

 ◇知事が表明
 ◇近江大橋西詰交差点、渋滞緩和へ立体化
 12月定例県議会は10日、一般質問を行った。国松善次知事は、守山市三宅町の平安女学院大びわ湖守山キャンパスが学校法人「平安女学院」(京都市)の計画通り来年4月から大阪府高槻市の高槻キャンパスに統合された場合、開学前の98、99年度に県が交付した補助金8億円の返還を求める考えを表明した。また、県道大津草津線の渋滞緩和策について、河〓和明・土木交通部長は「近江大橋西詰交差点(大津市)の立体化が不可欠」との考えを示した。【森田真潮】
 キャンパス統廃合問題について国松知事は、森茂樹氏(共産党県議団)の質問に、「来年4月以降、(現代文化学部を設けるとした)大学からの補助金交付申請書に記載された運営がされない場合は、県の規則などに沿って適切に対処する」と答えた。県は「学部展開が目的の補助金。処分制限期間(校舎は60年)内に目的外使用されれば、交付決定を取り消し、補助金返還を求めることになる」としている。
 県道大津草津線の渋滞緩和策については、河部哲幸氏(県民ネットワーク)が質問。県は立体化を高架方式にするか地下方式にするか、来年2月をめどに開く検討委員会の次回会合で方針を示し、05年度以降の事業化を目指す。
 立体化の費用は十数億〜二十数億円と試算。大津市におの浜2の交差点に歩道橋を設けるなどの構想と合わせ、両交差点間(2・4キロ)の自動車での所要時間を、現在の11・7分から5・2分に短縮できるとしている。

(毎日新聞2004/12/11)


県、補助金返還を検討 平安女学院キャンパス統合/滋賀

県、補助金返還を検討 「研究施設ではダメ」

  平安女学院大学びわ湖守山キャンパスの統合問題で、県は、現在ある現代文化学部が高槻キャンパスに移転された場合、学校法人に支出した8億円の補助金の返還を求める検討を始めた。守山市も25億6500万円の補助金を出しており、県は同市とも連携して対応を決める方針だ。

  国松善次知事は9日の県議会一般質問に対し「キャンパスに学生がいない事態が生じた場合は、補助金の返還について、県補助金交付規則などに沿って適切に対応する」と言及した。

  県企画調整課によると、今月3日に、県と大学側が協議し、大学側から、来年度以降、守山キャンパスに「先端技術センター」の設置を計画しており、市民講座やイベントも開くという説明があったという。

  県の補助金交付規則などでは、知事の承認を得ずに目的外の使用をした際は、交付を取り消し、返還を命じると規定されている。同課によると、同法人の補助金交付申請では、「時代の要請に応える人材を育成するため『現代文化学部』を設置する必要がある」と、申請理由が説明されており、同学部が高槻キャンパスに移る場合には知事の承認が欠かせない。県は4月以降、大学の現状を見定めて対応する方針。

  県の瀬古良勝・企画調整課長は「センターの内容はまだ聞いていないが、学生のいない研究所的な施設では承認できない。市民講座など一過性のイベントも、開学の趣旨にあわない」と話している。

      ◇     
  キャンパス統合をめぐっては、反対する学生たちが「守山キャンパスを守ろうの会」を結成して、約1万人分の反対署名を山田亘宏・守山市長や国松知事へ提出。10月には学生の川戸佳代さん(21)が同キャンパスで授業を受ける権利(就学権)の確認を求める訴えを大津地裁へ起こしている。大学側は今月6日に開かれた第1回口頭弁論で請求の棄却を求める答弁書を提出した。
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キャンパス統合問題 平安女学院大学びわ湖守山キャンパス(約3・9ヘクタール)は00年4月、県内初の4年制女子大学として、守山市三宅町に開学した。設置に当たり、施設整備費などとして、県は8億円、守山市は25億6500万円を学校法人に支出した。現代文化学部の中に、現代福祉学科と国際コミュニケーション学科がある。大学側は学生の大幅な定員割れを理由に、今春、撤退を決めた。

(朝日新聞2004/12/11)


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新聞報道

 

 

 2004年12月14日

守山市議会定例会、

平安女学院大学守山キャンパス移転問題が取り上げられる。



平成16年第4回守山市議会定例会会議録(第2日)

2004年12月14日

■高田正司議員 (質問)
  次に、平安女学院大学についてであります。
 平安女学院大学守山キャンパスへの誘致、平成12年4月開学までの経緯、さらにわずか5年で守山キャンパスを高槻キャンパスに統合が決定された経過、それに対する対応、補助金の返還、法的な対応、署名活動をしている学生の思いに対して、私たち創政会の議員を初め多くの議員から6月、9月議会で質問があり、市長の6月議会の答弁では「学生や保護者の強い思いを大切にすることが第一で、法的な手段を検討しつつ大学と協議の場を設け粘り強く存続を要請する」。また9月議会では「存続を求める学生の思いに対しては、学生、保護者、市民などさまざまな立場にある方の理解が得られる形で決着させなければならない大変難しい問題であり、大学側は学生に対して、経営状況を含めた説明をし理解を得られない限り、補助金返還を含め、今後、強く対応していく」とのことであったが、その後の平安女学院大学との交渉経過はどうであったのか。また、現在、どのような状況であるのか。そして、残すところ3カ月余りで守山キャンパスを高槻キャンパスに統合する予定であるが、今後、どのように対応していこうと考えておられるのか。さらに、過日、新聞報道によりますと、平安女学院の学生の一人が就学権の確認訴訟を提訴されたとお聞きしておりますが、このことについても市長はどのように受けとめ、どう対応されているのかお伺いするものであります。
▲市長 (答弁)
 次に、3点目の平安女学院大学についてのお答えでございます。
 今日まで、平安女学院大学は、守山キャンパスの統合問題について、当方、私どもとの合意はもとより、明確な説明もないままに統合を既成事実化いたしまして、その準備を着々と進めておられます一方、市から受けた補助金の取り扱いについて何ら協議をしようとしない一連の行動は、まことに遺憾であります。
 こうした中、先般来より学院に対して、統合についての明確な説明を求めておりましたところ、過日、学院から学生数の減少傾向、あるいは毎年度の会計収支状況を示す書類が提示されまして、統合により学院経営上の経済的効果が期待できることなど一定の説明を受けるに至りました。しかしながら、統合により経費の削減ができるとしているにもかかわりませず、引き続き別の形で大学機能を残すなど、経営上矛盾している点がございます。まだまだ納得できないところでございます。
 また、統合を前提とした守山キャンパスの今後の活用方策を一方的にチラシでPRするなど、学院の態度に不信感を抱かざるを得ない現状でございます。このため、市といたしましては、チラシへの抗議を含め、引き続き納得のいく説明と誠意ある対応を求めますとともに、学生がいなくなれば補助金の返還を求めることになることを改めて伝えてまいりたいと存じます。
 なお、過日、県議会におきまして、学生がいなくなれば補助金の返還も、との知事答弁があったところでございまして、市と同様の方針が確認できたところでございます。
 一方、守山キャンパスの存続を守ろうの会の代表からは、卒業までは守山キャンパスで就学する権利があることを確認する訴訟が提起されております。学生は、平安女学院大学という大学を守山という立地条件を含め選択したわけでございますから、当然、その思いが全うされることをと私としても強く願うものであります。市といたしましては、引き続き守山キャンパスの存続を迫ります中、学生の思いが通ずることになればと考えている次第であります。今後も、弁護士や県と十分協議しながら、市民の皆様に納得いただける解決策を見出してまいりたいと存じます。

■富樫 孝議員 (質問)
  3点目は、市長からも最近の市政の重要な動きとして報告のあった平安女学院大学守山キャンパス高槻に統合の問題、簡易保険福祉事業団による総合レクセンター建設中止の問題についてお尋ねいたします。
 平安女学院大学守山キャンパス高槻に統合の問題は、守山市の大学誘致政策と平安女学院大学側の短期大学から4年制大学に進出するという政策とが合意し、守山市が25億6,000万円余の巨額を補助金として大学の方に拠出して完成した守山キャンパスを、大学側が一方的に、誠意ある説明もせずに経営上の理由と称して理不尽にも5年で高槻市に統合を決定したことにあります。守山キャンパス存続は大学にとって経営上苦しいのは明らか。一方、市の方は多額の補助金を出している問題をどうするか、板挟みになっているのが現状と現状分析している方もおられるようですが、私は、そのようには思いません。
 さきの高田議員の質問で、市長の答弁は、不信感を持っていると言われましたが、そのとおりだと私は思います。大学側は経営上苦しいのであれば、経営のすべてを守山市行政に明らかにして理解を求めなければならないし、生徒の減少が深刻であれば、生徒募集の経過とその努力についても説明をして理解を得なければなりません。さらに、高槻市に統合という経営手法しか残されていないのかどうかも検証して理解を得なければならないと思うのであります。このことがすべて市民の皆さん、市行政に理解されたときに、5年で守山市からなくなる平安女学院に対して補助金の返還問題が俎上に上がるし、補助金の返還は常識であると思っています。
 今、事務局レベルでの話し合いがようやくテーブルについたと承っていますが、守山市としてはまず、大学の経営の状況を明らかにすることを求め、そのことが理解でき、高槻に統合やむなしとの判断をしたとき、市民の皆さんへの説明責任を果たし、補助金の返還を求めることだと存じております。
 理解できないことが数多く残されていることと残されている期間が少ないことから、学生の皆さんが就学権の確認する訴訟を行うことは当然であります。学生の権利の主張と守山市が求める大学存続との主張は意味合いが違います。私たちネットワーク未来では、繰り返しこの主張を行っています。市長は、大学の存続第一としつつも、今後の状況をしっかりと見きわめ、誤りのない対応に努めるとしています。私もそのとおりだと思います。また、これからの大学側との折衝は、情報を共有して市民全体の問題として取り組むことを求めるものでありますが、今後の状況判断の思惑も含め、市長のご見解をお尋ねいたします。
▲市長 (答弁)
 次に、平安女学院大学守山キャンパス高槻統合問題についてでございます。
 平安女学院との折衝は情報を共有して市民全体の問題として取り組むべきであるとのことでございますが、最終的に、市民の皆様の納得がいただける形で決着を図る必要がありますことからも、そのことは大切なことであると考えております。このためには、まず、平安女学院からの明確な説明が原点と考えまして、事務レベル協議の中で説明を求めたところでございます。
 こうした中、過日、学院から学生数の減少傾向や毎年度の会計収支状況を示す書類が提出され、一定の説明がなされたところであります。しかしながら、まだまだ納得するには不十分との思いがございますことから、引き続きしっかりとした説明を求めますとともに、市民の皆様にも納得がいただけるよう説明責任を果たしてまいりたいと考えております。
 本市といたしましては、繰り返し申しておりますとおり、大学の存続が基本でございます。そのことを引き続き要請を行ってまいりますが、そのことがかなわなければ補助金の返還を求めるべきであると考えております。引き続き議員各位のご支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。

■木村眞佐美議員 (質問)
  まず、平安女学院大学守山キャンパスを高槻に統合するという問題について伺います。
 9月議会には、そして今定例会でも、守山市議会のすべての会派が守山に存続をさせるべきであるという観点からこの問題を取り上げました。それは、このことが4月10日付の京都新聞に報道されて以来、市民の皆さんの大きな関心事になっていることや、学生さんの存続を求める運動に共感を抱いているからだと私は思います。
 私も9月議会で大学の存続のために最大限の努力を求めましたが、市長は「現に学生が守山キャンパスに学んでいるということも念頭に置きながら、学生や市民の皆様にとって最も望ましい選択肢は何かという視点に立って、弁護士とも十分相談しながらでき得る限りの施策を講じてまいる所存です」と答弁されました。しかしながら、統合を差し止める仮処分を申請することを市長に求めた質問には、当事者でないからとその求めに応じませんでした。しかし、守山市と平安女学院大学は、1997年、平成9年12月1日に基本協定書を取り交わしているのに、なぜ当事者ではないとおっしゃるのでしょうか。
 この基本協定書には、平安女学院と守山市が協力のもと、平安女学院が予定する大学の早期設置を積極的に推進し、もって地域の振興と教育文化の向上を図ることを目的とする、とうたっております。また、信義を重んじ、誠実にこの基本協定書を履行しなければならないとも記されています。
 大学は4年制女子大学とし、その学部学科の名称および入学定員は、現代文化学部、現代福祉学科130名、国際コミュニケーション学科150名とするとなっています。開設の場所として、守山市三宅町とするとあります。1998年、平成10年1月23日には、大学用地造成事業費として18億3,600万円の決定通知書を発行しています。大学設置補助金交付要綱には、市長は学校法人が補助対象事業に要する経費以外に使用したときは、補助金の全部または一部の返還を学校法人に請求することができるとあり、学校法人は、補助対象事業により取得しまたは効用の増加した財産を市長の承認を受けないで補助金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸付または担保に供してはならないとあるように、大学側が数々の守山市との約束に違反していることは明らかであるにもかかわらず、守山市が当事者として高槻への統合を差し止めるための訴訟をなぜ起こさないのでしょうか。
 守山市や滋賀県、文部科学省に要請しても進展がないことから、平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会をつくって署名活動を進めていた女子学生が、10月26日に就学権訴訟を起こされました。彼女は、第1回の公判でこのように陳述しています。
 「私たち学生が来年度から守山キャンパスの閉鎖のことを知ったのはことし4月の新聞報道によってでした。私は、この新聞報道から、来年はどうなるのか、不安な日々を送ってきました。5月の学院広報誌からびわ湖守山キャンパスの名が削除され、まだ在学しているのに私たちの存在が消されたということで、精神的に大きな打撃を受けました。ひどいと言って泣いている学生もいました。
 5月中旬になって、やっと教員によって説明会が行われましたが、要望を理事に届けるという説明を受けたので、白紙撤回や経営にかかわった全理事からの説明を強く求めましたが返答がありませんでした。授業料等を支払い教育サービスを受けている学生の要求を聞き入れようとしないこのような学院側の一方的な態度に憤りを感じ、結成したのが守ろうの会です。
 私たち守ろうの会は署名活動を中心に、守山キャンパスの存続を求める活動を行ってきました。集まった署名は守山市長、滋賀県知事、文部科学大臣に提出しました。
 私たち学生は大学を核としたまちづくりを掲げる守山市に設置された大学に入学しました。私たち学生にとっては、学校選択時に、大学がどこに位置するかということが、全国に数多くある大学の中から入学志望大学を選ぶ際に重要な点となります。私が通う守山キャンパスには、家から大学までが近く自転車やバイクで通えるからといって入学した学生だけでなく、遠くても守山という静かな環境の中で学びたいという思いを持って入学した学生もいます。私自身、守山市という環境に建つ新しい校舎が気に入って入学しました。
 大学案内のパンフレットには、レイクサイドキャンパス、レイクびわの風を感じて、というフレーズがありました。私は、このパンフレットを見てオープンキャンパスに行きました。そして、施設を案内され、新しくきれいなキャンパスにおいて少人数制クラスで学べるという説明を受けた後、入試の申し込みを勧められたので、親同席のもとに申し込みをしました。
 私は、去る10月に友達と高槻キャンパスを見学しに行きました。高槻駅の改札を出てから駅構内にエレベーターがなく、駅からキャンパスまでは満員のバスに20分ほど乗らなければなりません。高槻キャンパスは坂や階段が多くエレベーターも少ないため、大変疲れました。高槻キャンパスは守山キャンパスに比べてとても狭くて窮屈でした。また、設備も古かったです。高槻キャンパスの学生は私らが守山に行きたいわ。きれいやしと、話していました。
 学院側は、少子化を統合の理由にしています。しかし、守ろうの会が県知事に署名を提出した際、政策調整部長は、滋賀県は人口が2030年まで増加することが見込まれている。そんな中での今回の統合ということで驚いている、とおっしゃっていました。私は、学院経営の失敗をなぜ学生がこうむらなければならないのかわかりません。学院側は、私たち学生が出ていった後も、市民大学講座をするとしていますが、学園機能を残せるのなら、なぜ在学生を追い出すのか明らかにしていただきたいと思います。
 このような疑問を抱き、守山キャンパスの存続を求めているのが私だけではありません。例えば、私が在籍する国際コミュニケーション学科3回生のうち、休学・留学を除く9割の学生が署名をしています。学生会会長も署名しています。そして、私たち学生と大きなかかわりを持ってきた守山市民のうち約9,000人、守山市人口の13%の方が署名しています。署名数は約2万筆。この中には、守山市長および守山市議会議員、市役所職員の署名も含まれています。守ろうの会が署名活動を行う中で聞いた多くの市民の声は、できたばっかりやのに急な話で学生さん、かわいそうやな。1年生は統合知って入学したの。卒業生、1回しか出してはらへんのにな。もったいないな、というものでした。このように、多くの方々が私たちの活動に協力してくださっています。
 私は、在学生が卒業するまでは入学前に学院側から示されたような守山キャンパスでの教育環境が守られるべきであると思い、存続を求める活動を約半年間にわたって行ってきました。しかし、学院側の学生を無視した決定によって着々と統合の準備が進められていることから、最後の救済のよりどころとして、裁判所にご判断をいただきたくて提訴いたしました。」
 この裁判の訴状によれば、在学生は入学金や授業料を学校に支払うことによって教育を受ける契約をしている。在学契約に属する重要な変更は原則として当事者間の合意によるもので、高槻に統合することは合意のないままでの重要な内容変更であるとしています。
 また、平安女学院大学は、守山市および滋賀県との間に在学生を第三者とする第三者のための契約の締結をして、びわ湖守山キャンパスを長期間存続させ、ここで授業を行うことを約束し、その責務を負担したと規定しています。このことは、だれが考えても、守山市と大学とが契約の当事者であることを示しています。しかるに、何をもって当事者でないと言い切るのでしょうか。
 6月19日の総務常任委員会協議会では、市当局は「弁護士に相談した結果、学部は現実に存在しているのだから、損害賠償は、今は戦術上よくない。学生がいなくなってからがいいだろう」ということでした。学生がいなくなってからでは大学の統合を認めたことになりますし、守山市は損害賠償のことしか考えていない、統合はやむなしと考えているのではないかと思われるのではありませんか。私はそのような危惧を抱いたからこそ、9月議会では、弁護士や市当局の体制の強化を求めたものですが、市長はこのことにも答えていません。
 大学が統合を決めている来年度まで、期日は迫っています。守山市は平安女学院大学との契約をしたときから、在学生には学ぶ権利を保障する義務を負い、市民には25億6,500万円の血税を投じたことから、市民の財産を守る義務があるはずです。今の守山市の対応では、学生に対しても、守山市民にとっても納得のいくものではありません。今、この時点で守山市が行動を起こしていくべきときではないかと私は思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
 この問題でただしておきたいいま一つのことは、平安女学院大学が11月20日に新聞折り込みをしたチラシのことであります。このチラシには、「市民の皆様に好評の市民講座を来年度以降も守山キャンパスで継続して開催する予定ですのでご期待ください。来年度以降も多彩なイベントを開催。本学経営企画委員会で検討を重ね、守山市当局とも相談してまいります。」と書かれています。このチラシを見た市民は、大学は残るものと勘違いをしてしまいます。守山市に何の相談もなくこのようなチラシを配布することに対して厳重に抗議をして、守山市の見解を市民にわかるように声明を出すべきだと思いますが、市長の見解をお伺いいたします。
▲市長 (答弁)
 それでは、木村議員1点目の平安女学院大学の統合問題についてお答えを申し上げます。
 まず、守山市には、学生が学ぶ権利を保障する義務と市民の財産を守る義務があり、今の時点で行動を起こすべきではないのかということでございます。市といたしましては、これまで、学生への思いと市民への責務とをいかに両立させるかという観点に立ちまして、これまで補助金返還という抑止力を背景にしながら、大学の存続を求めるというスタンスで臨んできたところでございます。
 平安女学院大学の統合問題に関して、本市は、当然、当事者であるわけでございますが、統合差し止めの仮処分申請など訴訟を提起いたします上では、原告として適格性の判断が重要であります。本件の場合、統合差し止めの直接の効果は学生にあっても市には薄いとの弁護士の助言から、当事者適格に欠けると申し上げてきたものでございまして、また、多額の供託金を要しますことから、こうした申請には踏み切らなかったわけでございます。ご理解をいただきたいと思います。
 また、チラシに関しましては、過日の事務担当者間での折衝の場で厳重に抗議をいたしておりますし、市民の皆様には広報等で明らかにしてまいりたいと思います。ご理解のほどお願い申し上げます。

■木村眞佐美議員 (再質問)
 それでは、4項目、私の代表質問に対して今、ご答弁がありましたことに対して再度質問をさせていただきます。
 私、過日、平安女学院大学の高槻統合に対して、その認可をした文部科学省に平安女学院を指導してほしいという要請をしてまいりました。そのときの担当者の言葉として、初めから無理があったんではないかというようなこともおっしゃってました。それで、私、当時からおりましので、当初、どういう計画だったのかというのを前の資料、平成9年・10年ぐらいの資料を見てみました。
 現在、守山市は、全体事業費を48億7,200万円としています。守山市と県で33億6,500万円。大学が15億760万円になっています。当初計画では、全体計画は明治館も含めて、いわゆる京都にある明治館をこちらへ持ってくるという計画も含めて、約60億円ぐらいの全体事業費でした。その計画でいきますと、27億円大学が出すということになっています。48億7,200万のうち、守山市と県で33億6,500万円。大学はその半分でした。よく考えてみたら、こんな計画、当初から大学よりか補助金の方が多い。このことを一つ見ても、無理だったんではないかということで、文科省の担当者の言葉を私はこの資料を調べてみて、そうだったのかなということを今、感じているところです。
 これだけのお金を守山市と県が出さなかったら、大学は来なかったんです。無理をして来たわけです。そういう点では、今こんなことになっているという状態、これはやっぱり学生に対する守山市の責任は大きいと思うんです。先ほどのお二人の代表質問に対する市長の答弁聞いていましても、何か他人事やなと。だから今回の私の代表質問は、あなたは当事者じゃないんですかと。学生も当事者ですが、守山市も当事者なんですよ。同じ気持ちになって、統合をやめると。方法は幾らでもあります。そのことについて、やっぱり踏み込んだ判断を今、していくべきだと思うんです。
 この平安女学院大学の学生がお願いをしている弁護士さんは、なぜ守山市が学生が訴訟をする前にやらなかったのか。守山市の顧問弁護士とは随分判断が違います。弁護士によっていろいろあるでしょうけれども、私は、そのことが非常に残念です。
 女子学生は、4月の新聞報道から始まって、学生としてのSOSを守山市に、そして滋賀県に、文科省に訴えてきたんです。しかし、だれも助けてくれなかった。今は補助金の話が先行しているようで残念でならない。「気持ちがよくわかる」では学生の問題は済まされないと思うんです。彼女は、補助金を交付し平女を誘致した守山市だからこそ署名をそれぞれの行政府のトップに渡したんです。
 平女の経営問題ではなくて、学生の教育問題として市長はどのように考えているんですか。学生や保護者にとって、この統合は自分の進路を変える一生の問題。そういう深刻な問題なんです。市長も署名されましたよね。学生が守山市内で必死の思いで集めた1万筆を超える署名を受けとってから、いつ、どこで、だれと、どのような話し合いをされて、守山キャンパス存続のためにどのように説得をしてこられたのか、詳しく明らかにしていただきたいと思います。
 存続をさせれば補助金返還の必要もありません。存続のために、今、一生懸命何をするべきか。学生の願いを受けとめ、守山市民の思いを受けとめる。市長にはそういう行動を起こしていただく、その決断をお願いしたいと思います。そのことについて、どうお考えでしょうか。
▲市長 (再答弁)
 たくさんの再質問をいただきましたので、整理しながらお答えをしてまいりたいと思います。
 まず、平安女学院大学の高槻への統合について即座に行動を起こすべきであるということでございますが、私なりに大学の今までなさってきたことを整理いたしますと、まず、経営状態が悪くなったと。ますます経営状態が改善している大学は、この近辺探しましても、もっと立地の悪いところでも、たくさん学生が集まって立派な大学経営をされているところはございます。これは、やはり経営の怠慢としか私には考えられません。
 それと、開設されましたときに多大の補助金を県と私どもで出しました。現在の大学の対応を見ておりますと、そういう多額の補助金を支援していただいたというような気持ちがかけらも感じられません。また、一方的に高槻に統合をするということをお決めになった説明が一切なかったということもさることながら、そのことに関して申しわけないという気持ちも一向に伝わってまいりません。しかも、先ほどから申してますように、チラシなどを一方的に配布される。これはもう、やはり信頼まだまだできない。
 そういう中で、学生さんが自分たちの就学権を訴えられる。当然のことだと思います。ただ、繰り返しますが、私どもが今の状態をつくったのでは決してなくて、学生さんたちに対しても、学生さんたちが話し合いの場を求めておられるのを一度もしっかりとした場を持たないような現在の大学にこそ、すべての責任があるわけでございます。
 訴訟に至らなかった理由は先ほど申し上げたとおりです。学生さんたちにとっては一生の問題であり、必死になって取り組んでおられることについて、我々にできることは許す限り当然支援してまいりますが、みずからが訴訟という行動に出ることについては、先ほどから申してますように、一定の要件が備わった段階で行動を起こすということだと考えておりまして、そのときは当然、議会の皆様にはご相談を申し上げてまいります。

■坂田 健議員 (質問)
 平安女学院大学の問題についてのみ質問させていただきたいと思います。
 先ほどから、各会派の皆さん方もこの問題についての質問をされておりましたし、市長の答弁をお聞きしていましたところ、どうしても積極性がないというか、第三者的というか、そういう姿勢にしか見えないというのが率直な感想です。
 市長は、とにかく当事者でないので訴訟は起こさないというふうにおっしゃっておりますが、実際に、学生さんが来年の3月からは高槻に移動するというこの期間的な問題を考えても、今こそ訴訟を起こすべきじゃないかなと、その判断ができる時期に来てるんじゃないかなと思います。当然、この間、学院側との協議へ向けた努力はされておられますけども、実際に相手のこういう不誠実な対応というのが一向によくならない。これに対しては、やはり、それに対する訴訟を起こす時期に来てるんじゃないかなと私は思うんですけれども、これに対して、もう一度市長の見解を聞かせていただきたいと思います。
 以上で関連質問とさせていただきます。
▲市長 (答弁)
 それでは、坂田議員の木村眞佐美議員に関係します関連質問にお答え申し上げます。
 先ほどから申しておりますとおり、いわゆる訴訟を提起する上での当事者適格、このことについて弁護士の方からそういう指導を受けて、助言から差し控えておるものでございますので、この点についてはご理解をいただきたいと、重ねてお願いいたします。
 大学の存続が第一義ではございますが、私からいたしますと、財産保全も大切な責務であると考えておりますので、ご理解のほどお願い申し上げて答弁といたします。

■坂田 健議員 (再質問)
 それでは、再度、お聞きしたいと思います。
 市長がご相談されている弁護士さんが当事者適格というふうにおっしゃってるそうですけども、これは、何をもって当事者適格と判断していらっしゃるんですか。これを詳しくお聞かせ願いたいと思います。今、学生さんが訴訟を起こしてまして、その担当の弁護士さんは、先ほど木村議員もおっしゃいましたように、守山市は十分に当事者だと、こういうふうにおっしゃっています。ですから、弁護士さんによってそういう判断がもちろん違うと思うんですけども、今、守山市が相談されている弁護士さんが当事者適格というふうな判断をされているのはどういう理由なのか、この辺をもう一度お聞かせ願いたいと思います。
▲市長 (再答弁)
 再質問の再質問にお答え申し上げます。
 ごく常識的に当事者といいますと、大学の経営者、学生、職員さん、そのあたりがごく普通に当事者として認定されると考えております。
 以上、答弁といたします。


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平成16年第4回守山市議会定例会会議録(第2日)

 

 

 2004年12月14日

守山市長

「統合を既成事実化する一方、補助金の扱いについて何ら協議しようとしない行動は誠に遺憾だ」

学校法人平安女学院(京都市)に交付した補助金25億6500万円の返還を求める考えをあらためて明言



補助金25億円 返還求める 平安女学院統合問題で山田守山市長

 滋賀県守山市三宅町の平安女学院大びわ湖守山キャンパスの統合問題で、同市の山田亘宏市長は14日、来年4月に統合して学生がいない状況となった段階で、開学に際し学校法人平安女学院(京都市)に交付した補助金25億6500万円の返還を求める考えをあらためて明言した。国松善次知事も、同様に補助金8億円の返還を求める方針を示している。

 同日再開した市議会本会議で述べた。

 山田市長は「守山キャンパスの存続が基本路線だが、キャンパスに学生がいなくなれば補助金返還を求める」とし、来年4月以降には法的手段を視野に入れつつ返還を求める方針を示した。

 また、大学側の対応について「統合を既成事実化する一方、補助金の扱いについて何ら協議しようとしない行動は誠に遺憾だ」とした。

 12月に入り、大学側から統合の経営上の効果について説明を受けたことも明らかにし、「統合で経費削減ができるとしながら、別の形で大学機能を残すとする説明は矛盾している」と述べた。

(京都新聞2004/12/14)


守山市長「納得できぬ」 平安女学院大の学部統合 /滋賀

 平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)の学部の統合問題について、守山市の山田亘宏市長は14日の市議会で、大学を運営する学校法人平安女学院(京都市)から大学の会計収支状況などを示す資料を提供され、学部統合の決定に至る経緯の説明を受けたことを明らかにした。しかし、「まだ納得するには不十分だ」と話し、再度説明を求める考えを表明した。
 市みらい政策課によると、今月8日、学校法人側から、学生数の減少傾向を示す資料や年度ごとの会計収支状況の資料の提供があり、守山市の現代文化学部を高槻キャンパスに移して統合することで「経済的効果が期待できる」との説明を受けたという。山田市長は答弁の中で「統合で経費の削減ができるとしていながら、引き続き別の形で大学機能を残すのは矛盾しており、納得できない」と語った。また、「学生がいなくなれば補助金の返還を求める」という市の基本姿勢を改めて大学側に伝えることを議会に約束した。
 大学側が先月20日、チラシで「時代の先端をゆく学園機能を計画」と、キャンパスの活用策を市民にPRしたことに対し、「統合を前提とした方策で、一方的。学院の態度に不信感を抱かざるをえない」と話した。

(朝日新聞2004/12/15)


平安女学院統合問題 山田・守山市長、補助金返還要請も 大学側をけん制=滋賀

 平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)が今年度末、高槻キャンパス(大阪府高槻市)に統合される問題で、山田亘宏・守山市長は市議会で「学生がいなくなれば補助金の返還を求めることになる」と述べ、改めて同大学側をけん制した。
 大学側の対応について、山田市長は「明確な説明もないまま統合を既成事実化し、補助金の扱いについて何ら協議しようとしないのは誠に遺憾」と答弁。県からの補助金について、国松知事が県議会で返還を求める方針を示していることにも触れ「市と同様の方針が確認できた」と述べた。
 びわ湖守山キャンパスは、県と市が計約33億6000万円を補助。二〇〇〇年四月に開学している。

(大阪読売新聞2004/12/17)



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 2004年12月14日

川戸佳代さん

「守山キャンパスで学んでいる私たち学生の気持ちを忘れてほしくない」

ホームページを開設



平安女学院大生がHPを開設 存続訴え活動の経緯など掲載 /滋賀

 キャンパスの統合問題に揺れる平安女学院大学のびわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)に通う学生が、インターネットのホームページを開設し、同キャンパスの存続を訴えている=写真。
 開設したのは現代文化学部3回生で、「守山キャンパスの存続を守ろうの会」代表の川戸佳代さん(21)。高槻キャンパスへの統合が既成事実のようになりつつある現状に危機感を持った川戸さんが「守山キャンパスで学んでいる私たち学生の気持ちを忘れてほしくない」と思い、作った

 ホームページには、これまでの活動の経緯や、5月から続けている街頭での署名活動のほか、10月に起こした就学権(教育を受ける権利)の確認訴訟の資料なども掲載している。写真やイラストなども盛り込み、読みやすくした。
 川戸さんは「活動の中心を担ってきた3回生は就職活動で忙しく、キャンパス統合に反対する私たちの活動は学生だけでは限界がある。市民や他大学の学生にも見てほしい」と話している。
 現在は、川戸さんへメールを送信する形式だが、近く、掲示板を開設して、より活発な情報交換をはかりたいという。ホームページのアドレスはhttp://www.geocities.jp/ncgqg099/index.html

(朝日新聞2004/12/14)



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 2004年12月17日

山田・守山市長、補助金返還要請で 大学側をけん制


平安女学院統合問題 山田・守山市長、補助金返還要請も 大学側をけん制=滋賀

 平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)が今年度末、高槻キャンパス(大阪府高槻市)に統合される問題で、山田亘宏・守山市長は市議会で「学生がいなくなれば補助金の返還を求めることになる」と述べ、改めて同大学側をけん制した。
 大学側の対応について、山田市長は「明確な説明もないまま統合を既成事実化し、補助金の扱いについて何ら協議しようとしないのは誠に遺憾」と答弁。県からの補助金について、国松知事が県議会で返還を求める方針を示していることにも触れ「市と同様の方針が確認できた」と述べた。
 びわ湖守山キャンパスは、県と市が計約33億6000万円を補助。二〇〇〇年四月に開学している。

(大阪読売新聞2004/12/17)



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 2004年12月20日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

被告大学側が大津地裁に「準備書面(1)」を提出


平成16年(ワ)弟573号 就学権確認等請求事件
原告 川戸佳代
被告 学校法人平安女学院
平成16年12月20日

被告準備書面(1)

大津地方裁判所民事部合議係 御中
被告訴訟代理人
弁護士 姫  野  敬  輔

弁護士 松  本  智  之

弁護士 橘     秀  樹

第1 在学契約の存在は、原告がびわ湖守山キャンバスで就学することまで要求さ
れるものではない。

以下,略



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被告側「準備書面(1)」

 

 

 

 2004年12月24日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

大津地裁に「準備書面(2)」を提出


大津地裁原告側「準備書面(2)」(全文)

平成16年(ワ)第573号 就学する権利等確認請求事件
原  告  川戸佳代
被  告  学校法人平安女学院

準備書面(2)

2004年12月22日

大津地方裁判所 民事部合議係 御中

原告訴訟代理人弁護士   吉原 稔

第1 
 請求の趣旨第1、2項中、「原告を含む在校生」を「原告」と訂正する。

第2 被告平成16年12月20日付準備書面に対する認否、反論
1 上記書面第1につき、被告も「在学契約」に関する大阪地裁判決において、在学契約は、学校が、
   @学生に対し学生としての身分を取得させ、
   A文部科学省の定めた一定の基準に従って教育施設を提供し、
   Bあらかじめ設定した教育課程に従って授業等の教育を行う
  ことを内容とする義務を負うことを認めている。しかし、「守山キャンパスを高槻キャンパスに統合しても大学設置基準を満たした施設であらかじめ設定されたカリキュラムによる授業を受けさせるものであり、義務に違反しない」という。原告を含む在学生は、統合された高槻キャンパスにおいて大学設置基準を満たした施設がつくれるのかについて、何らの説明も受けていない。又、大学設置基準を満たしているか否かについては、文部科学省の審査を受ける必要があるが、その結果がどうであるのかを原告は知らない。
   この大学を守山市に設置した時点では、高槻キャンパスでは大学設置基準を満たし得ないから守山市に建設すると説明したのに、高槻キャンパスに統合しても大学設置基準を満たしうるというのは矛盾する。
   そもそも、原告の主張する本件の「在学契約」は、大阪地裁判決の事例のような入学金等に関する在学契約上の大学の義務ではなく、創設時において、県や守山市から補助金をうけることにより、県や守山市に対して守山キャンパスの存続義務(事業遂行義務)を負い、それを「規範設定契約」又は「第3者のための契約」により、少なくとも原告が在学する4年間は、守山キャンパスにおいて教育を提供する義務を負担したものであるから、仮に、統合によって建設される高槻キャンパスが大学設置基準を満たしているとしても、それによって被告が守山キャンパスで就学させる義務を免れるということはないのである。
2 上記書面第2につき、
(1)「被告は大学設置認可はキャンパスを限定するものではない」というが、認可は守山キャンパスの設置認可であるから、守山キャンパスに限定されるものである。
(2) 又、被告は「県や守山市に対し、具体的な約定をしたものではない。教育をいかなる施設で行うかは、大学の自治において決せられるべきもの」というが、被告は県に対する補助金交付申請(甲14号証)や守山市との基本協定(甲5号証、第4条甲は「大学を守山市三宅町に設置する」ものとする)等により守山キャンパスの設置を約定している。
 (3) 滋賀県知事は、12月県議会の答弁で、
「次ぎに、平安女学院大学びわ湖守山キャンパスについてのご質問にお答えします。
  まず、高槻への移転を認めないことや、びわ湖守山キャンパスを維持するための方策を講ずるよう主張すべきとのお尋ねでありますが、これまでからも、既に、県としては、びわ湖守山キャンパスの存続と、そこに学ぶ学生の不利益が生じないよう学校法人に文書で正式に申し入れるなど、守山市と連携して、大学設置者としての責任を果たすよう働きかけてまいりました。
  この間、大学からは、びわ湖守山キャンパスを先端技術センターとして活用するなど大学機能の存続を検討しているとの説明がありましたが、県としては、あくまでも大学設置当初の計画に沿ったキャンパスの運営を強く求めているところであります。」
と述べ、守山市長は、
「次に、3点目の平安女学院大学についてお答え致します。
  今日まで平安女学院は、守山キャンパスの統合問題について、当方との合意はもとより、明確な説明もないままに統合を既成事実化し、その準備を着々と進める一方、市から受けた補助金の扱いについて何ら協議しようとしない一連の行動は誠に遺憾であります。
  そうした中、先般来より学院に対し、統合についての明確な説明を求めておりましたところ、過日学院から学生数の減少傾向や毎年度の会計収支状況を示す書類が提示され、統合により学院経営上の経済的効果が期待できることなど、一定の説明を受けるに至ったところです。
  しかしながら、統合により経費の削減ができるとしているにもかかわらず、引き続き別の形で大学機能を残すなど経営上矛盾している点があり、まだまだ納得できないところがあります。また統合を前提とした守山キャンパスの今後の活用方策を一方的にチラシでPRするなど、学院の態度に不信感を抱かざるを得ない状況がございます。
  このため、市としましては、チラシへの抗議を含め、引き続き納得のいく説明と誠意ある対応を求めるとともに、学生がいなくなれば補助金の返還を求めることになることを改めて伝えて参りたいと存じます。
  なお、過日の県議会で「学生がいなくなれば補助金の返還も」との知事答弁があったところであり、市と同様の方針が確認できたところでございます。
  一方、「守山キャンパスの存続を守ろうの会」の代表からは「卒業までは守山キャンパスで就学する権利がある」ことを確認する訴訟が提起されています。
  学生は、平安女学院という大学を守山という立地条件を含め選択したわけでありますから、当然その思いが全うされることを私としても願うものであります。市といたしましては、引き続き守山キャンパスの存続を迫る中で、学生の思いが通じることになればと考えております。
  今後も、弁護士や県と十分協議しながら、市民の皆様に納得いただける解決策を見出して参りたいと存じます。」
と答弁している。このことは、県も守山市も、補助金交付により、被告が守山キャンパスの建設とそこにおける就学を県と守山市に約束し、その義務を負担したことを前提として、その存続を被告に強く求めているのである。
(4) 一般的には、大学の自治はあるが、それは県や守山市から補助金交付をうけたことにより守山キャンパスの存続を県と守山市に約束したという限度において制約をうけるものである。そのことは、被告が補助金をうけることにより守山キャンパスを廃止して高槻キャンパスに統合するという点については、決定権を拘束し、自らに制約を課したのである。
(5) いわゆる大石寺正本堂解体慰謝料請求事件についての平成15年12月19日付静岡地裁判決(平成13年(ワ)第528号他)は、本件類似の事件において、
「1 本件は、別紙4物件目録記載1の建物(以下「正本堂」という。)建設の準備にあたった正本堂建設委員会(以下「建設委員会」という。)に対し、正本堂の建設費用の寄附(正本堂御供養。以下「本件寄附」という。)をした、当時被告大石寺信徒団体であった宗教法人創価学会(以下「創価学会」という。)の会員であり、かつ日蓮正宗の信徒であった原告ら又はその被相続人が、完成した正本堂を建設委員会から贈与されて所有していたところ、その後正本堂を取り壊し解体した被告大石寺及びその当時の代表者で現管主・法主である被告阿部日顕(以下「被告日顕」という。)に対し、被告大石寺は、正本堂の贈与を受ける際に、「本件寄附をした原告ら又はその被相続人に対し、正本堂に日蓮正宗における本門戒壇の大御本尊(以下「大御本尊」という。)を安置し、合理的期間これを本堂として信徒及び僧侶の参拝儀式に使用し、維持管理する旨の負担」の第三者のためにする約旨をなし、仮にその負担が認められないとしても、原告ら又はその被相続人にその負担と同一内容の信頼を抱かせたにもかかわらず、その負担ないし信頼に違反し、わずか26年で正本堂を取り壊し解体したなどとして(その訴訟物は、別紙5本件訴訟物記載のとおり。)、それによって原告ら又はその被相続人が被った精神的損害(正本堂が永続的な本堂として維持管理されることを前提としてなした本件寄附が無価値化したことによる。)を賠償すべきであるとして、原告ら又はその被相続人がした本件寄附の3倍ないし5倍相当額の金員請求(別紙3の2ないし21記載のとおり。)と付帯請求をしている事案である。
(1) 第三者のためにする契約
ア 第三者のためにする契約には多様なタイプのものがあるといわれている(例えば、アメリカの第二次契約法リステイトメントでは意図された受益者1a、1b、偶然的受益者に、春田一夫「第三者のためにする契約の法理」信山社刊230頁以下では三タイプに分類している。)ところ、ある契約が第三者のためにする契約であるとするためには、その第三者に対し事実上の利益を与えるだけではなく、当該給付を請求する直接の権利を取得させる趣旨がその契約内容とされていなければならない。しかして、特定の契約における第三者のためにする約旨の存在は、第三者がその契約に基づき直接契約当事者に対して特定の権利を取得するための要件であるから、第三者が特定の契約に基づき直接その契約当事者に対して特定の権利を取得したことを主張する場合には、第三者においてその契約に第三者のためにする約旨の存在したことを立証する責任がある(最高裁判所昭和43年12月5日第一小法廷判決・民集22巻13号2876頁)。ここでいう「第三者のためにする約旨」の存否、換言すると「第三者に権利を直接取得させる趣旨」の存否は、契約当事者の合理的意思解釈によって定まるべきものであり、黙示的であっても差し支えないものと解される。したがって、第三者のためにする契約のうち第三者に直接権利を与えるという契約当事者の意思が明示されているか、又は、法律上その意図が明確な場合には、第三者が受益の意思表示(民法537条2項)をすることによりその第三者に給付請求権が帰属し、現実的に権利を直接取得することになり、第三者は自己の名義で訴訟をすることができる。問題は、第三者に直接権利を与えるという契約当事者の意思の存在が明確でない場合であり、黙示的な「第三者のためにする約旨」については、当該契約に至る経過、契約の性質、種類、目的、諾約者が第三者に対して債務を負担する理由の合理性と相当性、慣行・慣習等諸般の事情を総合的に考慮して、契約当事者が有したであろう合理的な意思を解釈(推定)して定めるほかはないといわざるを得ない。そして、第三者のためにする黙示の約旨の場合には、諾約者に不測の負担と不利益が及ばないよう、明示の約旨の場合に比してより慎重な判断が求められるというべきである。
イ ところで、要約者、諾約者、第三者という1つの相互的な三角構造において、権利を取得する第三者が負担を伴う第三者のためにする契約の場合、すなわち第三者の権利取得に付随的な負担を伴う第三者のためにする契約の場合、第三者はその負担付権利を一括して享受するかどうかを決すべきであって、その負担だけを拒絶して当該権利のみを享受することは許されないと解されている。このようなとき、第三者としては、受益の意思表示を行使する自由を有するのであるから、付随的な負担ゆえに権利取得を不利益と判断すれば受益の意思表示をしなければよいのであって、仮に受益の意思表示をした結果、負担付権利を取得することになっても不測の不利益ということはできない。しかして、そのためには、第三者にとって、当該権利取得による利益と当該負担による不利益とを比較衡量できなければならず、したがって、受益の意思表示をするかどうかを決定し得る十分な情報(判断資料)が必要となる。そうすると、当該負担は原則として明示的でなければならず、少なくとも黙示的は負担であるならば、第三者が一般通常の注意力と判断力をもってすれば、負担付権利であってもこれを取得し享受することが有利であるか否かを取捨選択し、受益の意思表示の行使について明確に判断できる程度に認識し得るものでなければならないというべきである。そうでなければ正義公正の要請に反するからである。
ウ 以上の理は、第三者のためにする契約において、諾約者が第三者に対して負担を負う場合であっても基本的に妥当するというべきである。したがって、諾約者が第三者に対して負うべき負担は、原則として明示的でなければならず、それが黙示的な場合には、その諾約者において、一般通常の注意力と判断力をもってすれば、当該負担を承諾するかどうかを明確に判断し得たか否かによるのが相当である。なぜなら、負担の内容が不明確であるため、後に負担付と判断されたときに不測の不利益を与えないように法解釈することが正義公平の要請に沿うと考えられるからである。
(2) 第三者のためにする約旨と本件負担の明示性
  前記説示のとおり、本件贈与証書並びに本件奉御供養の中には、被告大石寺が原告ら寄付者のために本件負担を負う旨の記載はないし、同被告の負担に関する何らの約定・取り決めもない。
(5)小括
ア 以上の各事実を統合し、かつ、原告ら本人の中には第三者のためにする契約と捉えていない者がいる(死亡前原告大橋正淳本人尋問調書246項ないし249項等)ことも併せ考慮して本件贈与契約における当事者の合理的な意思を解釈すれば、創価学会又は建設委員会と被告大石寺間の本件贈与の際には、被告大石寺が原告ら寄附者に対してはもとより、創価学会又は建設委員会に対してさえも本件負担を負う旨の法的な約定があったとは認められないというべきである。かえって、本件負担の内容は、第三者たる原告ら寄附者を含む本件寄附をなした多数の信者に対する相当長期間にわたる約束という特殊なものであるから、何らかの書面上の約束がなされるのが通常と考えられるところ、本件負担の記載のある書面が存在しないことは、本件負担の約束がなかったことを推認させる。」
と判示している。
 この事件は、平成16年12月8日東京高裁判決によって全面的に維持された。
 本件は上記大石寺正本堂事件と異なり、第三者のための契約について諾約者の負う負担についての明示の約定があり、事業遂行義務、守山キャンパスでの就学義務は優に認められるところである。

第3 
 被告は、訴訟提起後2ヶ月を経過したのに、未だに、答弁書、準備書面でも主張を小出しして、書証も提出せず「引き延ばし」によるキャンパス移転の既成事実化をはかっているのは、誠に遺憾である。速やかに主張立証をし、審理促進に協力すべきである。
以 上




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大津地裁原告側「準備書面(2)」

 

 

 

 2004年12月24日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

第2回口頭弁論の開催



12月24日 第2回弁論

 被告側は主張を小出しして時間の引き延ばしをしています。4月当初からの被告側の不誠実な対応は全く変わらぬようです。既成事実を主張するなど、怒りを通り越して飽きれるばかりです。教育機関である学校のやるべきことではないと思います。正々堂々と主義主張をして頂きたいと思います。 
 約2万人分の署名の一部を大津地裁へ提出致しました(市民を代表して守山市長、在学生355名分)。たくさんのご署名をありがとうございました。



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川戸佳代さん「裁判日記」

 

 

 

 2004年12月24日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

被告側が大津地裁に「準備書面(2)」を提出



平成16年(ワ)第573号 就学権確認等請求事件
原告 川戸佳代
被告 学校法人平安女学院
平成16年12月24日

大津地方裁判所民事部合議係 御中

被告訴訟代理人
弁護士 姫  野  敬  輔

弁護士 松  本  智  之

弁護士 橘     秀  樹

被告準備書面(2)

第4 学生・保護者への対応ならびに統合についての合意の成立
被告では、当然のことながら、学生、保護者、教職員、守山市、滋賀県、文部科
学省などに統合についての説明を繰返し行い、理解と協力をもとめてきた。就中、
学生・保護者に対する対応の主なものはつぎのとおりである。
平成16年5月16日 びわ湖守山キャンパスの保護者に対する第1回説明会
          ・統合検討の経緯および教学再編計画を説明
          ・高槻キャンパスをスライドにより紹介
          ・質疑応答
    5月17日〜5月21日
           びわ湖守山キャンバス学生に対する順次説明会
    5月20日〜5月27日
           高槻キャンパス学生に対する順次説明会
6月13日 びわ湖守山キャンパスの保護者に対する第2回説明会
    ・第1回説明会で提示された意見等に対する回答
    ・統合により発生する問題点への対応について説明
    ・質疑応答
6月14日 クラス、ゼミ毎に統合により生ずる学生の負担額などの
聞き取り調査を開始
6月17日 キャンパス統合に関する学生集会
6月28日〜7月2日
     びわ湖守山キャンパス学生会が主催して全学生に対する
      アンケートを実施
7月7日 保護者に対して2回にわたるキャンパス統合鋭明会につ
      いての報告書等を送付
      びわ湖守山キャンパス学生会より下記を骨子とする要求
      書が提出され、これを受領
     ・統合案の白紙撤回
     ・謝罪
      ・学生全員を対象とする説明会の実施
     ・びわ湖守山キャンパスの財政状況の開示
         ・学生の意見・意向を反映させた方針の再検討
7月16日 びわ湖守山キャンパス学生会と理事等との第1回協議会
      ・7/7の要求書に対する回答などを中心に意見交換
      びわ湖守山キャンパス学生会より下記を骨子とする要求
      書が操出され、これを受額
   ・高槻キャンパスの見学会、同キャンパスの学生との交
       流会を実施すること
      ・両キャンパスの類似のクラブや委員会との交流会を実
         施すること
     ・高槻キャンパスでの部室や部活動場所の確保
     ・アルバイト学生に対する補助について
     ・J R高槻駅・高槻キャンパス間のスクールバスの運行
     ・通学補助について
     ・びわ湖守山キャンパスの現在の教職員の全員が高槻キ
       ャンパスへ異動すること
     ・下宿学生に対する補助について
7月23日 びわ湖守山キャンパス学生会と理事等との第2回協議会
     ・7/16の要求書に対する回答などを中心に意見交換
     びわ湖守山キャンパス学生会と理事長との懇談会
7月30日 守山キャンパス全学生に対する説明会
8月27日 全学生に対して上記鋭明会についての報告書を送付
8月30日 びわ湖守山キャンパス学生会より下記を骨子とする要求
      書が提出され、これを受領
     ・高槻キャンパスの学生に対する統合説明会の実施
     ・両キャンパスの学生交流会に高槻キャンパスの学生が
      多数参加するよう動員の要請など
     ・高槻キャンパスの見学会の複数回実施など
     ・両キャンパスの大学祭に交流参加する費用の負担等
8月31日 びわ湖守山キャンパス学生会代表と理事長らとの協議会
     ・相互に経過事情などを説明
     ・8/30の要求書についての趣旨説明
9月 6日 8/30の要求書に対して文書をもって回答
     ・要求項目に対して個別具体的に応諾または協力の回答
    9月15日 高槻キャンパス全学生に対し、統合の基本的考え方の文
       書を送付
    9月28日 びわ湖守山キャンパス学生会より、下紀趣旨の
       「守山キャンパスの高槻統合についての確認書」
       が提出され、これを受領
      ・高槻統合は大学存続のためにはやむを得ない決定であ
       ると判断し合意する
      ・今後は、統合により派生する問題点の解消と、高槻で
       の授業開始に向け、学院と協力して取り組んでいく
      ・今後新たな問題が発生した場合にも適切に対応される
       ようお願いする
10月 4日 高槻キャンパス学生に対する統合説明会開催
10月13日 高槻キャンパス見学・両学生交流会
       びわ湖守山キャンパス学生会より下記を骨子とする要求
       書が提出され、これを受領
      ・身体障害学生および下宿学生への個別対応の要望、な
       らびに学生への個別対応窓口の設置の要望
      ・高槻キャンパスの工事計画などについての開示の要望
      ・クラブ室の確保の要望
      ・高槻キャンバスの寮生への補助の要望
       上記要望書に対して文書をもって回答
       ・要求項目に対して個別具体的に応諾または検討の回答
11月5日〜11月11日
       両キャンパス学生会主催により、高槻キャンパスの学生
       に対して統合に関するアンケートを実施

以下,略



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被告側「準備書面(2)」

 

 

 

 2004年12月24日

平安女学院大学守山キャンパス就学権訴訟

被告側が大津地裁に「準備書面(3)」を提出



平成16年(ワ)第573号 就学権確認等請求事件
原告 川戸佳代
被告 学校法人平安女学院
平成17年1月24日

大津地方裁判所民事部合議係 御中

被告訴訟代理人
弁護士 姫  野  敬  輔

弁護士 松  本  智  之

弁護士 橘     秀  樹

被告準備書面(3)

第5 現代文化学部を高槻に統合することを決断するに至った経緯

 既述のように、現代文化学部は、平成12年4月学生定員数1学年あたり280名の計画でスタートしたところ、実際の入学者数は226名であった。その後、入学者数は年々減少の一途をたどり、平成13年は179名、平成14年は143名、平成15年は98名、平成16年は90名である。このため、1学年から4学年までの学生が揃った平成15年度は、定員数からいえば、約1100名であるべきところ、実際には631名となり、平成16年度476名となってしまった。
……

 



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被告側「準備書面(3)」

 

 

 


 2004年12月25日

被告側・大津地裁への「準備書面(2)」を提出に関する新聞報道



地裁に大学側、準備書面提出 平安女学院大移転問題 /滋賀

 平安女学院大学びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)で学ぶ女子学生が、大学を経営する学校法人平安女学院(本部・京都市、山岡景一郎理事長)を相手取り、守山キャンパスで授業を受ける権利(就学権)の確認しを求めている訴訟で、学校法人が「授業などの教育をいかなる施設において行うかは、大学の自治において決せられるもの」などとする準備書面を大津地裁に提出していることがわかった。
 学校法人は、書面の中で、入学者の減少の理由として守山市内居住者の入学者数が一貫して少数であることをあげ、「守山市から約束された協力が得られなかった」と市の努力不足も指摘している。さらに「キャンパスの移動はすでに決定し、強い意志のもとに計画が進められている」としている。

(朝日新聞2004/12/25)



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 2004年12月28日

守山市と大学の間で具体的な利用計画の協議は一切ない

新聞報道



「空白期間、やむなし」 平安女学院大問題で守山市長 /滋賀

 平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)の学部の統合問題で、守山市の山田亘宏市長は27日、大学側が方針通りに学部を来春に移転させた場合、新しい学園機能が生まれるまで「できるだけ短くしたいが、しばらくの間、空白期間が生まれることはやむを得ない」と語った。
 大学側は、今ある学部を高槻キャンパスに移転させた後の守山キャンパスの利用方法を独自に検討し始めている。しかし、市によると、市と大学の間で具体的な利用計画の協議は一切ないという。

(朝日新聞2004/12/28)



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©2005 平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会 事務局