鹿国大組合ニュースVol.2-33より抜粋


懲戒解雇問題の団交は延期

 本日(6月24日)予定されていた懲戒解雇処分問題の団交は、延期となりました。
 地労委あっせんにより、開催することに合意した団交ですが、これまで開かれていません。理事会から6月24日17時30分より、学園本部で団交を行うという回答がありました。このことについて、6月18日に組合フォーラムを闘いて検討しました。組合フォーラムには、20名以上の参加があり、活発な議論が行われました。その結果を踏まえて、執行委員会では、以下のような申し入れを行いました。
 この申し入れに対して、理事会から、「このような要求は想定しておらず、協議をしてから回答したい」との回答が返ってきました。そこで、本日予定されていた団交を延期し、ひとまず理事会の協議の結果を待つことにしました。



2003年6月20日


学校法人 津曲学園
理事長 津曲貞春殿


鹿児島国際大学教職員組合
執行委員長 長沼庄司

懲戒処分に関する団体交渉について

 6月24日(火)17:30に予定されている団体交渉について、組合が大学を会場にしてほしいと要望したにもかかわらず、理事会から、再度会場を「津曲学園本部」にしたいという回答がありました。このことについて、鹿児島国際大学教職員組合は、執行委員会、及び組合フォーラムを開いて、十分に議論したうえで、下記のように要求したいということになりました。
 会場については、大学で起こった事態であるし、組合に加入しているメンバーが支援集会などに参加しやすい大学で団体交渉をおこないたいということで、要求してきました。ぜひとも、大学で開催したいという組合の要望はかわりませんが、会場が学園本部であっても、以下の条件が実現できるなら、会場については譲歩したいと考えます。
 条件とは、学園本部で開催される場合でも、@支援集会を開催する場所を提供していただくことと、A解雇について争っている三氏について、組合員かつ当事者としての当然の権利を認めていただくことです。当然の権利とは、支援集会に参加すること、あるいは団体交渉の過程で団交団といつでも相談できる場所に待機すること(必要な場合には、団交団の一員となる権利もある)を認めていただくことです。
 組合がこのような条件を要求するのは、第一に、当事者である三氏は交渉の場にいることが、地労委で確認した労使双方の誠実な話し合いの前提となるものだと考えるからです。直接の当事者である三氏をはずした団体交渉は、この前提からはずれます。
 第二に、三氏は組合員として認められるべきであり、組合としてもっとも大切な団体交渉の場からはずされるのは、組合員の基本的な権利の侵害だからです。
組合員の資格については、たとえば、外尾健一氏は『労働団体法』において、次のように述べ、被解雇者が「解雇の効力を争っている場合、当然組合員たる地位を失わないと解すべきである」と述べています。
 該当箇所を引用すると、組合規約において組合員たる資格を従業員に限定している場合、
「組合員が、退職したり、あるいは解雇させられて……被解雇者が解雇の効力を争っている場合、あるい……は、当然には組合員たる地位を失わないと解すべきである。なぜならば、組合員が解雇の効力ないし解雇の条件を争っているときこそ組合員は組合の保護を必要としているというべきであり、前記組合規約を形式的に解釈すれば、組合の使命を否定することになりかねないからである。
 裁判例では、「本組合は米子作業従業員で組織する」旨の組合規約の条項は、「解雇の効力に関する争いに決着がつくまでは被解雇者を組合員として扱う趣旨を含むものと解するのが相当である」とした事例(米子作業事件・鳥取米子支判昭41.5.19労民第17巻3号646頁)……などがある。」(外尾健―『労働団体法』現代法学全集40、筑摩書房、1975年9月30日、129〜130頁)
第三に、三氏が学園と「雇用契約上の権利を有する地位」にあることは、2002年9月30日に出された「解雇無効」の仮処分決定で明記されていることであり、学園が異議申し立てをしているにしても、現時点での執行力があり、学園もまたこれに従わなくてはいけません。
 研究室以外の学園施設立入禁止の学長通達がでています(この学長通達そのものについても、団交の議題としてぜひとも検討したい、と考えています)が、少なくとも、団体交渉に関しては、この通達は解除されるべきである、と考えます。
 以上の点で、三氏が組合員として認められるのは当然で、三氏の懲戒処分をめぐる団体交渉において、当事者である三氏を交渉や支援集会の場からはずしたりすることは、きわめて不当であり、地労委のあっせんによりおこなわれるべき「誠実な話し合い」に値しないものです。
 この要求を受け入れていただけるならば、予定されている6月24日(火)17:30から学園本部で団交をおこないたいと思います。もしも、理事会が組合のこの要求にただちに従えないということであれば、団体交渉を延期してでもこの条件について交渉したいと思います。

日時:6月24日(火)17時30分より
場所:学園本部
ただし、以下の条件による。
@支援集会を開催する場所を提供する。
A解雇について争っている三氏について、支援集会に参加すること、あるいは団体交渉の過程 で団交団といつでも相談できる場所に待機すること(必要な場合には、団交団の―員となる 権利もある)を認める。
交渉メンバー:前回予備交渉と同じ。