鹿国大当局による通告書

地域発展の意見を投稿した八尾信光教授とそれを掲載した南日本新聞社に対して,鹿国大当局は弁護士 金井塚 康弘を代理人として,不当にも「肩書き詐称」と新聞社の「誤報」による名誉毀損を主張して,謝罪及び新聞紙上での訂正・謝罪記事の掲載、損害賠償等を求める通告書を2003年2月26日付けで送りつけた。

以下,その通告書の内容。

 


通  告  書

〒 890-8603
鹿児島市与次郎1−9−33
株式会社南日本新聞社
代表取締役社長 大囿 純也 殿

〒891-0145
鹿児島市錦江台3丁目19−13
八尾 信光 殿


冠省
当職は、学校法人津曲学園(代表者理事津曲貞春)、鹿児島国際大学(学長菱山泉)(以下「通告人ら」という)の代理人として、貴社および被通告人八尾信光殿に対して、次のとおり通告致します。

1 貴社は、その発行する「南日本新聞」の2003年(平成15年)2月17日付朝刊の「私の論議 鹿児島新世紀」という欄において、被通告人八尾殿の「『ボラン・システム』活用を 商店街の再生」と題する投稿を大きく掲載されました。
 被通告人八尾殿の肩書として、「(鹿児島国際大学経済学部教授)」と冒頭に大書し、 「90年教授、経済学部長」等との経歴記載があるのみで、「解雇され現在係争中」等の何の注記もないので、現在も通告人ら大学の教授職にあるかの印象を与える誤った記載がそのままなされています。
貴社の新聞発行部数は多数に及び、上記誤った肩書き記載の記事によって、通告人らの名誉は甚だしく毀損されています。

2 ご承知のとおり、貴社と通告人らとの間においては、通告人らの方から、昨年10月4日付内容証明郵便にて、裁判所で地位保全の仮処分決定が出されたことについて貴社が「復職の仮処分決定」が出された旨誤って報道されたことをめぐり、申し入れを行って交渉がなされた経緯があります。通告人ら大学の公募人事において不正推薦を主導した被通告人八尾殿ら3名の懲戒解雇をめぐる報道は、一方に偏らず公平かつ正確に行って頂きたいというのが、通告人らの貴社に対する申し入れの趣旨であり、貴社も十分にご理解頂いているものとばかり考えておりました。

3 昨年の一連の申し入れの後、貴社の通告人ら大学の懲戒解雇事件についての報道姿勢が、担当者も変わる等して慎重になり、報道内容にも正確性も期されているやに感じましたので、それ以上の法的責任追及を控えていた矢先であっただけに、今回のごとき誤った肩書き付の投稿記事掲載は、極めて遺憾です。これは、上記の経緯からしても、あえて間違った肩書き記載等で係争事件の一方に加担し支援しようとした意図から挑戦的に掲載されたものとしか判断できず、貴社の度重なる不公平かつ不正確な記事に対し、通告人らとして、貴社の姿勢は極めて背信的で認め難く、厳重に抗議せざるを得ません。

4 また、被通告人八尾殿は、さらに悪質と言わねばなりません。
 八尾殿は、通告人大学学長から、仮処分決定後、昨年11月15日付の書簡にて、仮の地位を認めた同決定に対する正確な理解を求めつつ、「鹿児島国際大学経済学部教授」との肩書き使用は、「当学園は勿論認めておりません。肩書詐称であり、裁判所もこのようなことは[仮処分決定では]認めていないことをよくご理解下さい。」旨通告し、注意し、肩書詐称を禁じられていたからです。通告人大学からのこの注意を受けながら、本案裁判所で係争中であることも重々知りながら、今般、敢えて新聞紙上に虚偽の肩書き付で掲載をさせて、表現の自由を盾に自己の満足と利を図ろうとされていることは、許し難い背信行為であり、通告人らは、その悪質性に鑑み、厳重に抗議するものです。

5 よって以上により、通告人らは、貴社および被通告人八尾信光殿に対し、上記のような肩書き詐称と貴社の度重なる誤報による名誉毀損に対し、通告人らへの謝罪及び貴紙ヘの訂正・謝罪記事の掲載、損害賠償等を厳に求める次第です。言うまでもないことですが、自由には責任が伴います。
 本書到達後14日以内にこの問題についての誠意ある回答を後記の当職事務所宛求めます。真摯なご回答、ご対応なきときは、通告人らは、貴社らに対して、従前の経緯に鑑み一刻の猶予もなく、断固たる法的手段をとる所存であることを念のため付言致します。
不一

2003年(平成15年)2月26日

大阪市北区西天満1−7−4
協和中之島ビル4O3

通告人ら代理人
 弁護士 金井塚 康 弘

電 話06−6311−8877
FAX06−6311−8870