「証拠説明書」(2003年10月28日)より
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甲1 | 原告田尻利に対する処分通知書 | 被告 | 同人に対する処分理由。なお,懲戒処分の就業規則上の根拠は示されてない。 |
甲2 | 原告馬頭忠治に対する処分通知書 | 被告 | 同上 |
甲3 | 原告八尾信光に対する処分通知書 | 被告 | 同上 |
甲4 |
被告大学学則 | 鹿児島経済大学 | 本件採用審査及び本件処分が行われた時点の学則。 第38条には「教員組織に関する事項」は教授会で,第40条には「教員の人事に関する事項」は大学評議会で,協議すべき事項であることなどが定められている。 |
甲5 |
鹿児島国際大学学則 | 被告 | 学則の定めに反して,教授会及び大学評議会での「協議」を経ずに行われた学則の改変によって,その内容が大幅に変更されていること。 |
甲6 | 学校法人津曲学園就業規則 | 被告 | 本件処分が行われた時点の就業規則。第55条で「懲戒退職」については「所轄労働基準監督署長の認定を経て」行うと規定されている。 |
甲7 | 学校法人津曲学園寄付行為 | 被告 | 本件処分が行われた時点の学園寄付行為。第3条で,被告法人は「教育基本法及び学校基本法に従い,学校教育を行う」としている。 |
甲8 | 経済学関係学部設置基準要領 | 文部省 | 同要領の三の5によれば,「専任教員はその研究業績によって専攻科目の他,専攻科目に関連のある科目を担当できる」とされている事実。 |
甲9 | 大学協会基準表 | 財団法人 大学基準協会 |
被告大学は,公募科目の新設にあたって,同協会の基準をもとにしているものである。したがって,人事管理論は主要科目ではない。 |
甲10 | 平成4年度経済学部 第4回教授会議事録 |
経済学部教授会 | 教員間で生じた不祥事に関して,教授会の下に特別調査委員会が設けられ,その提案が教授会で承認され,その決定に基づく処理がなされた事実(関連資料: 甲第22号証) |
甲11 | 平成5年度経済学部 第6回教授会議事録 |
同上 | 委員の交代に関しての教授会での審議。非専門委員の交代は事後承諾でよいとしたこと。 |
甲12 | 平成11年度経済学部 第13回教授会議事録 |
同上 | 本件採用人事に関する教授会審議で十分な議論の末,教員選考委員会の提案が証人された事実。 |
甲13 | 平成11年度経済学部 第15回教授会議事録 |
同上 | 第13回教授会議事録が加筆修正のうえ承認された事実。同議事録では「第3回委員会において全員一致で当該採用候補者を第1位の候補者に決定し,面接直後の第4回委員会でも異論はなく投票に移った」ことなどが追記,確認されている(2頁中段)。 |
甲14 | 平成12年度経済学部 第7回教授会議事録 |
同上 | 被告大学では,教員が退職し転出すること等についても事前に教授会で審議と承認が行われていた事実。 |
甲15 | 新聞記事(H14.4.2付夕刊) | 南日本新聞社 | 同新聞には,被告が記者会見を行い,本件について「就業規則に抵触するということではない」が重い処分にしたとの説明を「繰り返した」と記載されている。 |
甲16 | 応募者一覧 | 被告 | 公募に対して多様な専攻分野の研究者から応募があった事実。 |
甲17 | ****氏 研究業績一覧 |
**** | ****氏が提出した「研究業績一覧。同氏が「担当科目に関連するもの」として◎印をつけた業績が33点あったこと。 |
甲18 | 片山一義氏講義概要 | 被告 | 授業内容(シラバス)。公募科目の前任者が作成した「人事管理論」と「労使関係論」の講義内容。 |
甲19 | 高橋武氏講義概要 | 被告 | 被告大学社会学部の「講義概要」(平成15年度)。社会学部で開講された「労使関係論」の講義内容。 |
甲20-1 | 教員候補者公募について(依頼) | 経済学部教授会 | 前任者片山一義助教授が採用された教員募集の際,鹿児島経済大学経済学部が作成し配布した公募要領。担当科目は経営労務論・賃金管理論(現在の労使関係論,人事管理論)であった事実。 |
甲20-2 | 研究業績評価 | 原口俊道 | 上記公募に応募した者を審査した選考委員会の主査であった原口俊道が,応募者片山一義について賃金管理論の業績がなかったにも拘わらず,経営労務論・賃金管理論担当の適任者として評価し,これを基に鹿児島経済大学が同人を講師として採用した事実。 |
甲20-3 | 陳述書 | 片山一義 | 前任者片山助教授が鹿児島経済大学に応募した上記時点で賃金管理論に関する業績を有しなかった事実。 |
甲21-1 | 経営学科会議開催通知書(昭59.6.26) | 松木繁義 | 鹿児島経済大学経済学部経営学科主任であった故松木教授が経営学科会議開催を学科所属各教員に通知した事実。 |
甲21-2 | 経営学科会議報告書(昭59.7.4) | 松木繁義 | 上記通知に基づいて開催された故松木繁義教授(経営学科主任)の直筆による経営学科会議の報告書。経営分析・会計監査論担当の教員採用にあたり,2科目担当を条件に公募した場合でも,1科目の業績によって採用可としうると決め,かつ公募依頼文では担当科目をAおよびBと表現することを決定した事実。これ以後,経営学科では「および」という表現で2科目担当教員を公募した場合でも採用可としうることになった。甲第20号証の2の原口俊道教授の研究業績評価報告書は,この原則に沿ってなされた審査例の一つである。 |
甲22- 1〜3 |
平成3年度経済学部第16回及び平成4年度第1回,第4回教授会議事録 | 経済学部教授会 | 被告大学で起きた教員間の不祥事について,教授会の下に特別調査委員会が設けられ,その提案が教授会で承認され,その決定に基づき処理がなされたこと。 |
甲23- 1〜3 |
平成8年度から同10年度の教授会議事録(抄) | 同上 | 教授会において渡瀬教授や外薗教授らが投票を棄権して退席する行為を繰り返してきた事実。 |
甲24 | 国外留学計画書等 | 原告八尾信光 | 原告八尾は被告の決定によりロンドン大学に1年間留学する予定で必要な準備を完了していたが,この留学が被告理事長・学長名で突然停止された事実。 |
甲25 | 第1回大学開設準備委員会の議事概要(抄) | 被告 | 同委員会の発足時に財政問題等は検討しないという申し合わせの確認はされていない事実。 |
甲26-1 | 第1回新学部開設準備委員会議事概要(抄) | 被告 | 同委員会発足時に菱山委員長が,「(この委員会では)人と物と金…,財政的なものを考えなければならない」と述べた事実。 |
甲26-2 | 第1回新学部開設準備委員会資料2 | 被告 | 同委員会の発足にあたり,大学・学園についての基本統計と財務資料が配られ,それらを踏まえた協議が開始された事実。 |
甲27 | 研究プロジェクト | 国際経済労働研究所 | 本件公募に応募した大学院生****氏,同人の推薦人である**京大教授,赤岡功京大教授(本件処分のための調査委員会の外部委員)が同じプロジェクトで平成11年10月頃から同14年3月頃まで共同研究を進めていた事実。 |
甲28 | 平成8年度第4回大学評議会議事録 | 大学評議会 | 大学院・新学部の設置について,教授会から学長に対し,教授会の意見を踏まえた検討を要望していた事実及び学長が同設置を学則第40条(評議会での協議)に則って進めたい旨の発言をした事実。しかし,被告はこれに拠ることなく設置を進めた。 |
甲29 | 平成10年度経済学部教授会議事録抄 | 経済学部教授会 | 同10年6月17日の学長への「要望書案」は,その前2回の教授会で出された意見と要望を整理したものであり,原告八尾が独断で作成したものではないこと。 |
甲30 | 平成10年度第4回大学評議会議事録 | 大学評議会 | 新学部開設に向けた学則改定案について,原告八尾は開設準備委員としての立場を考え反対しなかった事実(6頁参照)。 |
甲31 | 決算消費収支計算書(平成9年度〜11年度) | 被告 | 被告大学は平成11年度まで毎年*億円以上の黒字(消費収支超過)を出し,学園(法人)全体の収支も均衡していた事実。 |
甲32 | 平成13年度当初予算(学校別) | 被告 | 被告が教職員に配布した予算表において,平成13年度は大学の**(消費収支**)が*億円に激減し,学園全体では*億円の**になるとされた事実。 |
甲33 | 学園だより(第41,43,44号) | 被告 | 平成11年度は学園全体の消費収支(当年度収支差額)が**であったのに,12年度以降は毎年数億円規模の**に転化した事実。 |
甲34 | 平成14年度 予算編成方針(案) | 被告 | 学園当局が「経費の全面的な見直しによる支出削減」と「総額人件費の抑制策に取り組む」方針を示した事実。 |
甲35 | 陳述書 | 菱山泉 | 菱山学長は「学園全体の収支は平成13年度決算についても**であります」と事実と異なる陳述をしている(23頁4〜5行目)。 |
甲36 | 10月19日付の懲戒理由書についての弁明(H13.11.14付) | 原告八尾信光 | 大学の将来計画等について原告八尾がなぜ意見や要望を述べたのかを詳しく説明。被告の誤解を解きつつ必要な釈明をし,学長に不快感を与えた点については許しを求めた事実。 |
甲37 | 意見書 | **教授 | **氏の研究業績が公募2科目の担当者として適合すること。これら科目の研究には経済学的なアプローチが有効であり,労使関係の分析は社会政策学や労働経済論の中心的な研究領域であること。 |
甲38 | 意見書 | 下山房雄教授 | **氏の適格性について委員会と教授会の判断が適正であることをアメリカでの「労使関係論」の生成と日本における展開に基づき明らかにしたもの。 |
甲39 | 意見書 | **助教授 | この科目の性格を学問的に説明し,さらに経営学科での決定を踏まえて,**氏の33点の業績から公募科目の担当者として適任であることを示している。 |
甲40 | 意見書 | **教授 | 学問の多義性を踏まえて評価すべきであり,経営学的研究が唯一でないことを指摘。 |
甲41 | 意見書 | **教授 | 公募科目は学際的アプローチにより複眼的に研究されている学問であり,経済学的アプローチによる**氏による業績は公募科目に適合していること。 |
甲42 | 評価 | 木元進一郎教授 | 原告馬頭に労務管理論の研究業績があり,そのことがこの著書で紹介されている事実。 |
甲43 | 判決(昭32.1.30) | 名古屋地裁 | 教員の解雇については,学問の自由を守るために教授会の審議が必要であり,これを欠いた場合,解雇の効力はないことが判示されている。 |
甲44 | 判決(昭36.2.13) | 名古屋地裁 | 同上。 |
甲45 | 判決((昭63.3.11) | 前橋地裁 | 教授会の審議を経ていない解雇は効力がないこと。 |
甲46 | 判決(平11.1.21) |
浦和地裁川越支部 | 解雇事由はきわめて厳格なものでなければならないことを示唆する事例。 |
甲47 | 同上 | 岐阜地裁大垣支部 | 教授会の審議を経ていない教員の解雇は無効であること。 |
甲48 | 判決(平12.12.26) | 津地裁 | 教授会の決議を経ていない雇用契約の破棄の効力について判断せず,教員の地位を認めた事例。 |
甲49 | 判例(平14.4.12) | 盛岡地裁 | 大学は,教員に研究室を提供すべき義務があるとして,研究室貸与を認めた事例。 |
甲50 | 陳述書 | 原告田尻利 | 原告田尻は選考委員長として候補者選出のために適正に議事を進行しまとめている事実。 |
甲51 | 平成14年(ヨ)第84号 「陳述書」 |
原告田尻利 | 同上。 |
甲52-1 | 陳述書(1) | 原告馬頭忠治 | 原告馬頭は,教員選考委員会において副査として職務を忠実に遂行した事実。 |
甲52-2 | 陳述書(2) | 同上 | 原告馬頭の業績評価書に対する被告の主張が事実に反するものであること。 |
甲52-3 | 陳述書(3) | 同上 | 被告提出の準備書面(4)に対する反論 |
甲53-1 | 陳述書(1) | 原告八尾信光 | 教授会において委員会提案が規程に則り投票の結果可決された事実,同教授会決定を学長が拒否し採用候補者を不採用とした事実。 |
甲53-2 | 陳述書(2) | 同上 | 原告八尾が開設準備委員として大学・学園の将来を心配して意見や要望を述べた事実。関連資料や文書の提出について学長や理事長からやめてほしいと言われたことは記載されていない事実。 |
甲54-1 | 「労務管理論」 | 森五郎 | 被告は,森五郎教授が「労務管理論」は労使関係論を含むと述べているというが,同著にはこのようなことは記載されていない事実。 |
甲54-2 | 「経営学大辞典」 | 神戸大学大学院 経営学研究室 |
労務管理論について,被告が「経営学大事典」の説明を歪めて記載している事実。 |
甲54-3 | 「労使関係論」 | 木元進一郎 | 「労使関係」を「労資関係」として捉え分析した研究書。 |
甲54-4 | 「日本の労資関係システム」 | 森五郎外 | 労資関係が「企業レベル」だけでなく,「産業レベル」「全国レベル」まで含めて研究されていること。 |
甲55 | 平成11年度第6回経済学部教授会議事録 | 経済学部教授会 | 本件採用人事のための選考委員会の設置が決められ,専門委員2名が選出された事実。 |
甲56 | 教員選考委員会の経過報告 | 亀丸政弘 | 本件選考委員会の審議経過の詳細な記録(疎乙第7号証3)。これには採用候補者が適正に選定された事実が記載されている。 |
甲57 | 原口主査の報告 | 原口俊道 | 被告の主張が,同人の述べる一方的な事実に基づいている事実。 |
甲58 | 仮処分決定 | 鹿児島地方裁判所 | 平成14年(ヨ)84号事件について,本件懲戒解雇は無効であるとされ,地位の保全と賃金の仮払いが命じられた事実。 |
甲59 | 労務管理概論 | 森五郎 | 「経済労使関係の管理」が人事・労務管理論の一領域として研究されており,この研究をもって労使関係論とはしない事実。 |