第5回口頭弁論 傍聴記速報

 

 

第5回口頭弁論傍聴記速報
8月11日(月)13:10−13:34



傍聴者:大学・学園側職員18名程度、原告側34名程度(A大学を懲戒解雇され、先ごろ地位保全等の仮処分裁判で全面勝利したBさんも応援傍聴された)、南日本新聞などマスコミ関係者2,3名などで満席でした。

 最初10分あまり証拠の確認。被告が提出していた証拠(コピー)のうち、理事会の決議録(三つ)のコピーが1枚ずつしか提出されていないので、その原本を確認するといったことが行われた。口頭弁論には証拠の原本を持参することになっているので、被告側は多数の資料を持参していた。そのあと、原告が提出した準備書面の趣旨を増田弁護士が8分ほどの限られた時間の中で説明。増田弁護士は,田尻、馬頭、八尾の三氏について被告が示した懲戒理由を要約し、その一つ一つに対して簡潔に反論し処分理由はないと述べました。

その要旨は次の通り。
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被告学園側の田尻教授に対する解雇理由は以下の4点でした。
@科目不適合な候補者を教授会に推薦。
A委員会審議を4回から8回に延長。
B主査に副査との交代をせまった。
C主査に暴言。品格が問われる。
 これらの解雇理由について、増田弁護士は,選考委員会が選んだ教授は現役の国立大学教授であり、科目担当者として抜群の業績ある研究者であったこと、委員会の延長は全員一致で決め審議を尽くしただけであること、委員会の結論にそった報告書の作成を主査が断ったので副査との交代を提案したこと、主査は委員会では他の誰からも制約なく発言しており、脅されたというのは偽りであること、などを指摘し反論しました。

被告学園側の馬頭教授に対する解雇理由は2点でした。
@副査が業績評価書を作成し教授会に提出。
A業績報告書の虚偽記載。
 これに対して,弁護士は,馬頭教授は委員会の結論、意思により業績評価書を提出したことを指摘。虚偽記載などは全くなく、学者生命を脅かす名誉棄損の主張は悪質であると反論しました。

被告学園側の八尾教授に対する解雇理由は5点でした。
@教授会での議事運営。
A経営問題介入。
B学則改正で越権審議。
C文書などの送付。  
D大学改革の妨害。
 これに対し、増田弁護士は,教授会で議長として誠実に議論を尽くしたこと。採決に入ることを全員で決めた後、退席者が出たからといって採決をやめたら、それこそ専断行為。経営への介入はない。経済学部長として財政面を心配するのは当然。学則改正案の審議は学則の定めに従ったもの。大学の将来を心配して学長らに私信を送っただけ。解雇理由になることはひとつもないと反論しました。
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 その後、裁判長から次回は、引き続き被告学園側証拠の原本との照合、人証の準備(証人の決定や尋問計画の打合せ)をしたいので原告側は残り書面を出してほしいなどということが言われました。それで次回は、非公開の円卓審理ということになり、その次の口頭弁論はその時に決めることとなりました。
 日取りについて池谷裁判官は8月25日を提案しましたが、被告側はいろいろ都合があると言って引き延ばし、9月中旬は裁判所の引越しもあるので、結局、上記円卓審理は9月24日(水)の16時30分からということになってしまいました。被告側は裁判を長期化させようとしています。昨年9月末の仮処分決定に対する学園側の異議申立については、(却下するかどうか)9月末に決定したい、とのことでした。

 

(口頭弁論リポーター)鹿児島市民A